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令和7年度当初予算案等に関する記者発表の要旨について

ページID:0102319 更新日:2025年2月21日 印刷ページ表示

日時:令和7年2月18日(火曜日)11時05分~11時48分

場所:知事会議室

 

(読売新聞(幹事社))

 本日は県から発表事項1件あると聞いています。令和7年度当初予算等についてですが、会見終了後、記者室でレクがありますので、詳細はそちらでお願いします。
 それでは、知事、よろしくお願いいたします。

 

(知事)

 それでは、2月定例県議会に提案予定の令和7年度当初予算案等について発表させていただきたいと思います。

 令和7年度当初予算は、県民の皆さんにお約束をいたしました約100項目にわたる公約の実現に向けまして、「新ステージ」後半のスタートを切るための重要な予算でございます。

 特に、石破政権が地方創生に力点を置く中、その実現のためには、これまで培ってきた政策立案能力を発揮し、本県の未来を切り拓く政策をいかに生み出すかが鍵を握っており、われわれの力量が問われているものと自覚しております。

 編成の方針としては、1のとおり、総合計画の目標達成に向け、種をまき、ステップアップを図ってきた政策をさらに一歩前進させ、地方創生の先頭を走る気概を持って、本県の未来の成長を実現するための予算に重点を置いたところでございます。

 重点を置いた施策は2のとおりで、一つ目の人口減少対策には、出生数の増加、流出の抑止、流入の拡大、外国人材の確保の四つの視点から政策を総動員して取り組みたいと思います。

 次のDX・官民共創の推進については、デジタル人材の育成・確保を図りながら、デジタル技術を駆使したDXを推進するとともに、8年度に開設いたします官民共創拠点を県内経済の活性化へ結び付けられるよう、運営体制の構築や官民ネットワークの強化に、この時点から取り組みを進めていきたいと思います。

 次の防災・減災対策については、西日本豪雨災害からの創造的復興はもとより、南海トラフ地震等への備えや地域防災力の強化等を進めるほか、地域経済の活性化に向けては、県内事業者の海外展開支援や国内外からの誘客促進、地域産業の新たな活力創出に取り組むなど、実需の創出に徹底的にこだわりながら施策展開を図りたいと思います。

 また、3のとおり、成果重視の姿勢を徹底するとともに、ビルド・アンド・スクラップを推進するなど、メリハリの利いた予算編成に努めたところでございます。

 2ページをご覧いただきたいと思います。

 当初予算額は、重点施策への対応に加えまして、社会保障関係経費は依然として伸びが続いております。また、その他にも、第二別館の建替整備、県立学校振興計画に基づく校舎整備等によりまして、一般会計で7541億5000万円と過去最大規模となっております。

 3ページをご覧いただきたいと思います。

 ここからは、4つの重点施策ごとに主要な事業を説明させていただきます。

 第一に、人口減少対策については、対策の軸となる、えひめ人口減少対策総合交付金に、市町からの積極的な事業提案を促す仕組みを導入するなど、出会い・結婚から妊娠・出産、子育てに至る切れ目ない対策に県・市町連携で取り組みを進めていきたいと思います。

 次に、出会いの場の提供として、学びをきっかけとする交流会や、今年度開始した新たな仕掛けであるメタバースの活用等により、多様な出会いの機会を創出したいと思います。

 次に、結婚・出産・子育て支援として、結婚支援センター主催で婚活イベントを実施するほか、子どもや若者の意見を施策に反映させるため、私も昨年参加しましたが、子どもと直接対話を行ったこどもまんなか懇談会を引き続き開催したいと思います。

 また、保育士の確保に向けまして、県外学生のUターン就業の促進や、保育士を応援する機運を醸成し、保育の仕事の魅力向上を図るとともに、放課後児童クラブの支援員の養成や資質向上に向けた研修を拡充するなど、各ステージにおける子育ての壁の解消に努めたいと思います。

 次に、妊娠・出産に関するリテラシーの向上として、高校生等を対象にしたライフデザインの構築に向けたワークショップや、経済団体等との連携による若年層の交流イベントを実施するとともに、経営層への働き掛け等により、企業における妊娠前ケアの認知度向上を図りたいと思います。

 次に、若年者の県内就職に向け、ジョブカフェ愛workで就職や職場定着を支援するほか、関西圏で働く本県出身者のUターン就職を促進するため、県内企業の就職情報の発信等を通じ、Uターン潜在層の掘り起こしに努めたいと思います。

 続いて、4ページをご覧いただきたいと思います。

 学生時における地元企業を知る機会の提供、これが社会に出る時の地元就職の選択肢にも直接結び付くというふうに考えております。その中で、定着をしてきました、小中学生によるジョブチャレンジU-15や、高校生によるソーシャルチャレンジfor High Schoolこれはすでに取り組みが継続しておりますが、今後新たに、大学生や専門学校生に企業での就労と地元での生活体験を組み合わせた機会を提供する事業を創設したいと思います。こちらの事業も、U-15、for High Schoolに引き続いての事業になりますので、キャリアチャレンジfor College。ジョブチャレンジU-15、ソーシャルチャレンジfor High School、そして、大学生、専門学校生向けにはキャリアチャレンジfor Collegeと命名して、学びのステージに応じた体験機会を提供する三つのチャレンジ事業を組み合せながら展開を進めていきたいと思います。

 次に、仕事と育児の両立支援・女性活躍機会の拡大として、600社を超えましたひめボス宣言事業所のさらなる拡大やPRに取り組み、女性や若者から選ばれる県内企業への変革や成長を後押しするとともに、子育て世帯の親世代も含め、家事シェアを普及啓発し、家事・育児への社会全体の意識変容を促進したいと思います。

 次に、移住等を促進するため、AI移住コンシェルジュ「カムカムみきゃん」も活用した相談体制のもと、移住フェアの拡充や、デジタルマーケティングを駆使した移住潜在層の開拓を図るとともに、南予移住の認知度向上に向け、豊かな自然環境や暮らしを紹介する移住体験動画を制作・配信するほか、県内での進学・就職等に関する高校生や大学生等への情報発信を強化したいと思います。

 次に、外国人の受け入れ促進ですが、新たに人口減少対策に位置付けて取り組みを強化したいと思います。産業の担い手を確保するため、企業向け相談支援体制の構築や、受け入れ環境の向上を図る企業への支援、帯同家族も対象とした日本語学習環境の充実に取り組むとともに、高い語学力や技能を有する人材確保に向けまして、海外での採用イベントや合同企業説明会を開催するほか、県内大学等と連携し、留学生の受け入れの拡大や県内定着を図りたいと思います。

 また、航空路線の維持・拡充に当たり必要となる松山空港のグランドハンドリング人材の確保、これを目指しまして、この後、本日、関係者と覚書を締結することとなっております。県内教育機関や航空事業者と連携して外国人材向けの教育カリキュラムを初めて策定するほか、介護分野では、介護施設とのマッチングに加え、資格取得のサポートや生活支援等を通じて職場定着を図る施設の支援に取り組んでいきたいと思います。

 次に、5ページをご覧いただきたいと思います。

 第二に、DX・官民共創の推進ですが、デジタル技術を駆使したDXの推進として、職員のデータ活用スキルを向上させ、政策立案の高度化を図るとともに、旅行者の人流や消費に関するデータを収集・分析し、観光施策の立案につなげたいと思います。

 また、災害情報システムの高度化を進めるとともに、デジタルを切り口とした医療機関の連携強化や人材育成を側面支援していきたいと思います。

 さらに、県内産業の稼ぐ力の強化に向けまして、デジタル技術の現場実装や横展開を一層推進するため、トライアングルエヒメ2.0としてバージョンアップし、取り組みを加速するほか、順調に成果を伸ばしているECサイト「愛媛百貨店」を軸に、デジタル技術を駆使して県産品の販売促進を図りたいと思います。

 また、デジタル人材の育成・確保に向け、県内4大学に依頼いたしまして設置していただいた情報系学部、進み始めておりますが、大学と連携をしまして、高度な情報教育を行う課程を新設する私立高校を支援するほか、記載にはありませんが、私立高校等によるICTを活用したデジタル教育への支援を強化・拡充いたしたいと思います。

 さらに、大学で育成したデジタル人材の県内定着に向けまして、企業でのオンラインによる業務経験を通じ、実践スキルを習得していただくとともに、社内でデジタル人材を育成する企業も支援したいと思います。

 次に、官民共創の推進と拠点整備の加速化でございますが、施設整備に加え、運営を担う人材育成や、本拠点における共創の意義について、開設に先立ちまして、企業や大学、市町等への理解浸透と機運醸成に取り組むとともに、官民共創の基盤となるコミュニティの構築や中核人材の育成を進めるほか、これまで各部局内で、また部局連携で実施してきた政策立案をステップアップさせまして、次の段階に入っていきたいと思います。それは、企画段階から多様な主体が参画して、官民共創で政策を創り上げていく、愛媛県版の政策エコシステムと名付けております。この政策エコシステムの確立を図るなど、新たな出会いやビジネスが絶えず生み出される空間・仕組みづくりにこの拠点を位置付けるようにチャレンジをしたいと思います。

 次に、6ページをご覧いただきたいと思います。

 第三に、防災・減災対策でございます。西日本豪雨災害からの復興として、かんきつ園地の再編復旧を着実に進めるとともに、南海トラフ地震など大規模災害への備えとして、能登半島地震等も踏まえまして、県単独の防災・減災対策を推進いたします。

 また、感震ブレーカー・耐震シェルターの設置や、家具固定器具の導入、木造住宅の耐震改修など、住まいの耐震対策を促進するほか、国の南海トラフ地震の被害想定見直しに合わせまして、県独自の調査を引き続き進めていきたいと思います。

 次に、地域防災力の向上と災害対応力の強化といたしまして、公約にも掲げ、先般、全国一位となりました防災士の養成を、中高生にも対象を広げ継続しながら、資格取得者へのフォローアップを通じ、活動の強化を図るとともに、宇和海沿岸5市町が津波に備えて取り組む避難路等の整備を支援するほか、南予地域の自主防災組織等を対象に、避難所の早期開設や運営体制の強化に向けた演習を実施したいと思います。

 また、新第二別館に、災害応急対応の指令拠点となる防災オペレーションルームを整備するとともに、大規模災害時の活動拠点となる警察署等に資機材を整備するほか、ドローンによる医療物資等の輸送体制や、医療用コンテナを活用した医療提供体制の構築を図りたいと思います。

 また、原子力防災対策の強化として、実践的な防災訓練や広域飛行ドローンの活用による初動対応力の向上に加えまして、災害時の円滑な避難に向けた道路整備に取り組みたいと思います。

 次に、7ページをご覧いただきたいと思います。

 第四に、地域経済の活性化についてですが、人口減少に伴う国内市場の縮小を見据えた海外展開の推進として、インド経済交流ミッションの成果を生かし、現地課題等に対応できる製品・技術を有する県内企業と現地企業をマッチングし、ビジネス機会を創出するとともに、来年度はインドネシア、ベトナム両国でミッションを実施し、インドネシア・ゴロンタロ州やベトナム・ベンチェ省とのLocal to Localの取り組みを一層深化させ、県内企業の海外での事業展開につなげたいと思います。

 また、農林水産物の輸出拡大に向けまして、河内晩柑「misho」など県産かんきつのプロモーションや、新たにインドネシアでの県産木材の販路開拓に取り組むとともに、ブリ、マダイを軸に、一昨年トップセールスを行ったフランスなどEU諸国やアメリカで営業活動を展開しまして、愛育フィッシュの販路の一層の拡大を図りたいと思います。

 次に、国内外からのさらなる誘客促進として、大阪・関西万博を契機に、海外の旅行予約サイトと連携したプロモーションや、「疲れたら、愛媛。」をコンセプトとした関西圏でのPRを実施するとともに、南予の全9市町と連携して準備を進めてきました誘客・送客キャンペーンを今年の夏に本格始動したいと思います。

 また、E-マウンテンバイクを活用したサイクリングコースやツアー造成に取り組む市町等を支援するとともに、松山空港国際線のさらなる利用促進を模索するほか、海外のボートショーへの出展等を通じ、スーパーヨットの誘致活動を展開したいと思います。

 さらに、今年開催いたします日本スポーツマスターズの準備、また、東京藝術大学との連携のもと、とべもりプラスを拠点としたアートベンチャーエヒメフェスを、子ども芸術祭や障がい者芸術文化祭等との相乗効果を図りながら実施するほか、記載はありませんが、国内初開催であり、アジアでも2回目の開催となります、地方創生の象徴的なイベントとも言える、世界最大級の自転車国際会議「Velo-city」の令和9年の開催決定や、10年度の国民文化祭の開催内定を受けまして、関係機関等と連携して準備に着手をしたいと思います。

 また、8年度には全国植樹祭を控えており、大規模イベントが続きますが、本県の魅力発信につながるよう、職員とのチームワークで、しっかりと準備に取り組みたいと思います。

 次に、地域産業の新たな活力の創出として、愛媛グローカル・フロンティア・プログラムにより、ビジネスアイデアの募集・表彰から新ビジネスの創出まで一貫支援し、本県での創業を促進するとともに、専門家の伴走のもと、ニーズに応じた集中的な支援を行い、愛媛からのスタートアップ創出を目指すほか、首都圏等のスタートアップと県内企業をマッチングし、新事業創出につなげていきたいと思います。

 また、先端成長産業を誘致するための事前準備となります、市町と連携した用地確保や、奨励金限度額の最大50億円への引上げを行っておりますけれども、今後の企業立地の促進に向けてはスピード感が重要であり、2月補正予算で基金を創設し、東予港西条地区において産業用地の整備に着手をしたいと思います。なお、この整備にかかる費用は予算上計上されますが、将来、誘致ができた時には、その費用も勘案した上での売却価格になりますので、念のため申し添えさせていただきます。

 さらに、かんきつの広域選果体制を構築し、AI選果機など先端技術を導入するJAを支援するとともに、西日本豪雨災害からの復興のシンボルとして、間もなく本格販売を迎えます紅プリンセスと、紅まどんな、紅かんぺいとの紅コレクションを前面に押し出して販促活動を展開し、県産かんきつのブランド力向上につなげるほか、現在進めている養殖マサバの開発に続きまして、超高級魚として知られるシロアマダイの産地化にチャレンジをしたいと思います。

 以上が一般会計の重点施策の概要でありますが、このほか、医療や福祉の充実をはじめ、教育やスポーツ・文化の振興のほか、海洋ごみあるいは脱炭素への対応など、総合計画の9政策全体を俯瞰(ふかん)し、各分野に広く目配りした事業を盛り込んでいるところであります。

 なお、行政改革に率先して取り組む姿勢を示すため、私をはじめ特別職の給与カットを10数年実施してまいりましたが、財源対策用基金残高が安定的に推移する段階まで来まして、財政健全化に向けた取り組みが、一定の成果を得られてまいりましたので、とりあえず今年度末をもっていったん終了させていただきます。

 次に、8ページをご覧願いたいと思います。

 特別会計でございます。特別会計は2449億6140万円、企業会計は738億4302万円でございますが、企業会計の病院事業については、空床補償など国のコロナ政策のひずみの影響等により、全国の大半の公立病院の経営が悪化している中、5類移行後もいったんコロナの病床を構えたことにより、患者さんをお断りしておりました。そうした状況もあり、患者数がコロナ前ほどまで回復をしておりません。全国的にも同じような比率でございまして、大体8割程度の回復状況でございます。また、看護師をはじめとする人材不足も相まって、収入が伸び悩んでいることに加えまして、賃金や物価が大幅に高騰し、経営悪化がさらに進んでいる状況でございます。

 このことについては、全国知事会でも、公立病院の現状、いわばコロナ対応によって構造的に発生している状況を伝えて、しっかりと対応していただきたいという要望を続けているところでございます。

 こうした中、病院事業会計の当初予算は、各病院においてはこうした状況を踏まえて経費節減の取り組みを進めているところでございますが、地域の中核病院としての役割を果たすために必要な経費に対し、収入見込みが全体で34億円不足する赤字予算にせざるを得ない状況でございます。

 このような中、県立今治病院の整備につきましては、こうした厳しい経営状況や、建設費の高騰など計画時点とは大きく異なる状況変化が生まれております。これを踏まえまして、今治市や地元医師会と現在協議を行っている最中であり、この当初予算での計上は見送らせていただいております。

 この結果、一般会計を含めた令和7年度当初予算額は、約1兆730億円となっております。

 次に、9ページをご覧いただきたいと思います。

 2月補正予算の主なものとして、12月補正予算に続きまして、本県独自の物価高騰対策を追加実施するとともに、執行段階での経費節減等により捻出した財源を活用しまして、基金の創設や積み増しを行って、将来増加する財政負担の軽減、平準化、今から準備を進めておくほか、国庫支出金の変動等に伴う補正を行うこととした結果、令和6年度2月補正予算額は、一般会計で149億6705万円となっております。

 以上が補正予算案の概要でございます。

 最後に、10ページをご覧いただきたいと思います。

 このページ以降は、総合計画の施策・政策ごとに当初予算の主要事業を整理したものでございます。

 このほか、条例等の議案につきましては、先ほどの企業立地の促進に向けた基金の創設に係る条例の制定のほか、全ての職員がフレックスタイム制を活用した週休3日制を利用できるようにするための条例改正などを提案する予定でございます。以上です。

 

(読売新聞(幹事社))

 ただ今の発表事項に関しまして、質問のある社はお願いします。

 

(愛媛新聞)

 愛媛新聞です。よろしくお願いします。

 すみません、知事、冒頭でもですね、ご説明いただいたと思うんですけれども、当初予算に関連して、地方創生の先頭を走り、愛媛の未来の成長を実現するとあるんですけど、知事が考えていらっしゃるその地方創生っていうのはそもそもどんなものでしょうか。

 

(知事)

 これもずっと考えてきたことなんですけども、かつては、3割自治と言われるように、国の省庁があらかたの政策を立案して、規模や産業構造、人口数によって示された政策から各自治体が自分たちにフィットするものを選択するという形態がずっと続いてきました。

 自主裁量権3割ということで3割自治というような表現が使われたんですけども、その後、国の財政事情の悪化、金太郎飴のような全国一律のまちづくり、要因は全く異なっていたのですが、国は財政事情から地方分権、そして地方は個性あるまちづくりのための地方分権という主張が合致して地方分権が進んでまいりました。まだ道半ばでありますけども、そういった中で地方創生が鍵を握っているというふうに言えるんではなかろうかと思います。

 すなわち、それはメニュー選択型行政から政策立案型の行政体へ脱皮できるかというところにあるというふうに思っています。 

 そもそも、それぞれの地域は、歴史も違う、文化も違う、産業構造も違う、異なる要因を持って、それをどう生かすかというところが地方創生の鍵を握るポイントではなかろうかと思います。

 言わば、隣がやったから同じことを、という発想だけではなくて、多少リスクがあってもその地方の特色を生かして、あるいは時代を先取りしてチャレンジをしていく、未来の成長につながるチャレンジをするということが地方創生ではなかろうかというふうに位置付けています。

 そういう中で、石破政権も地方創生を大きな政策の柱に掲げ、予算も増額ということなんですが、この根本のところを抜きにして進んでしまうと、単なる、期間が来た、交付金が増えた、どうしよう、知恵が湧かないから商品券を配ろうとか給付金を配ろうとかという一過性のばらまきで終わってしまいかねないというふうに考えてますので、そうではなくて、やはり未来の成長に結び付く政策を自らが立案する、これこそが地方創生ではなかろうかというふうに考えてます。

 

(愛媛新聞)

 すみません、続けてなんですけれども、関連して、今もご説明あったように、政策立案型の行政と中村知事ずっとおっしゃってると思うんですけれども、その今回の当初予算の中でですね、その仕掛けというのはどこに見られるのかというところを教えていただいてもよろしいでしょうか。

 

(知事)

 まず、仕組みの問題から重要なところだと思っているのですが、政策立案型行政というのは、もう今までのずっと慣れが、3割自治でのやり方に慣れてきた地方自治体の歴史がありますので、それを変えるためにはやはり意識改革が必要だと考えたので、5つの意識改革を浸透することから始めました。

 その後に、まずは部局内での政策立案というものに当初段階では取り組みを進め、その後、部局横断型、全庁でいろんなことを考えるという第二ステップに入り、そして今回予算でも説明させていただきましたけれども、計画段階から官民で考えていくという政策エコシステム、これが第三段階と位置付けていますので、これ一足飛びにはいかなかったので、今までの10年の足跡の中で次の段階にようやく入れるんじゃないかなというふうに考えています。

 そういう中で、営業本部であり、あるいは自転車政策であり、海外展開でありですね、他県がやったからやるっていうよりは、愛媛県らしさで独自でやってきたものも増えてきましたので、着実にその芽がこう芽生え始めているんじゃないかなというふうに思ってます。

 

(愛媛新聞)

 すみません、続けて申し訳ないんですけれども、先ほどあった、多分、官民共創拠点の話も含まれると思うんですけれども、拠点であるだとか、政策エコシステムであるだとかへの期待というのはいかがでしょうか。

 

(知事)

 そうですね、官民共創拠点は、最初、まだ今の段階ではどういうことなのか、まだ浸透しているわけではないと思うのですが、確実に時代はそちらの方向に向かっていくと確信をしています。
 ですから、来年度末ぐらいに完成予定なんですけども、まだ1年以上ありますから、この段階からじっくりと仕掛けを進めていく、言わばどういうことなのかというのを経済界であるとかあるいは県民の皆さんにも知っていただき、そしてでき上がった時にスタートが切れるような準備を進めることが大事ではなかろうかというふうに思ってます。

 計画段階から官民共創ということになりますと、官の視点、皮膚感覚では思い付かないような発想であるとか、あるいは現場で流れている社会の変化なんかを取り込みながら政策を立案できる裾野が広がっていくんじゃないかなというふうに思ってますので、その点には大いに期待をしています。

 

(NHK)

 NHKです。よろしくお願いします。

 財源対策用基金のことでお伺いしたいんですけれども、先ほど知事の方から予算案の中身や意義の説明ありましたけれども、一方で、新ステージへのステップアップに向けてというところなんですが、108億円の取り崩しもあったというところで、これどういうふうに見ればいいのか、意義など説明いただけませんでしょうか。

 

(知事)

 そうですね。今までですね、西日本豪雨災害の時に財政調整基金等々がかなり減りました。もっと歴史を振り返ってみると、小泉政権の時の三位一体改革の時は、この財政調整基金がどれぐらいまでいったのかな、20億円ぐらい、もう100億も切るぐらいまでいっちゃったんですよ。

 それはもう取りも直さず、所得税から住民税への移管で収入は増えたけども、それの1.5倍の補助金等々のカットがあったので、全ての自治体が立ちどころに枯渇したというのが小泉三位一体改革の状況だったんですね。それ以来順調に少しずつ少しずつ回復したんですが、再び西日本豪雨災害の時に、大きな取り崩しをせざるを得なかったと。

 ただ、この経験から言うとですね、やっぱり大規模災害が起こった時にある程度の構えがなかったらスピーディーな対応ができないと。だから、一定の財政調整基金等々を中心とした内部留保というのは必要だなということを改めて西日本豪雨災害の時に痛感をいたしました。国の対応を待ってられない、対応しなければいけなかったので。

 そういう意味で、大体類似都市のベースで言うと400億円ぐらいが今の愛媛県の規模感から言うと必要内部留保かなというので、そこへの積み増しに向けてやってきた経緯があります。6年度末の見込みでは440億円ぐらいまできてます。

 ただし、当初予算というのはかなり膨らましてやりますので、マックスで考えますから、それに対応するためには100億円ぐらいの当初段階での取崩しはします。ただし、ここから1年間いろんな現場でやりながらですね、経費節減を図ったりいろんなチャレンジをしますので、その結果、年度末にある程度戻せるというかたちになろうと思いますので、大体400億円ぐらいは確保できる目途は今の段階では立っていると。ただ、これ大きな災害等が起こったらまた別ですけども、通常運転の場合は大体それだけの準備はできているというふうに思っていただいたらいいんじゃないかなと思います。

 ただし、常に国の動向もあります。今後の地方交付税の問題等々も含めて、そういうこともあるので、常に緊張感を持って財政運営というのは見つめていきたいというふうに思ってます。

 

(時事通信社)

 時事通信社です。

 今ちょうど地方交付税の話が出たので、合わせてお伺いをしたいんですけども、今年度、22ページの歳入のところにあろうかと思うんですが、この臨時財政対策債、臨財債が発行がなくなったというのは、全国的に1つ目玉なのかなと思っております。地方財政の健全化という意味で中村知事も以前、103万円の壁の時にこの苦言を呈されていたかと思うんですけども、臨財債の発行がなくなった意義について教えてください。

 

(知事)

 そうですね。そもそも地方交付税というのは臨財債も含めて、基本的な行政サービスを展開するための必要経費で、国が出すべきものなので、臨財債というのは、見かけ上、地方の債務残高にも入りますけども、これはもう本来国が責任を持って後で補填をするという確約のもとに出してるものなので、これはもう国の財政の問題だと思うんですね。ただ、われわれはそこら辺も意識しながら、財政運営は見つめてきましたけども、それだけ税収も上がってきたという背景がある一方で、ただ一時的にですね、臨財債も含めて県債発行残高1兆円超えた時期があるんですけども、やりくりしながら順調に削減を繰り返してきてますので、現在、9000億、発行残高が。

 

(総務部長)

 5年度末で9564億です。

 

(知事)

 9500億ぐらいまでは減らしてきてます。臨財債がいくらぐらいになったかな。

 

(総務部長)

 臨財債がそのうち3861億。

 

(知事)

 3800億ぐらい残ってますから、これはしっかりとまだまだ国にはちゃんと約束どおりしっかりとした対応を引き続き求めていきたいというふうに思ってます。

 

(読売新聞(幹事社))

 各社さん他によろしいでしょうか。

 

(テレビ愛媛)

 すみません、テレビ愛媛です。東予港の産業用地の関係で、この辺り津波の想定エリアでもあるかと思うんですけど、そのあたりの対策も踏まえた上でどのような産業用地にしていきたいと。

 

(知事)

 そうですね。実は土地自体はあるんですけども、若干地盤の関係を整備しないと、現実的に速やかに工場が来てくれるか、というとそれ抜きには難しいなという状況にあります。

 これはいろんな業界からもヒアリングしながら判断したものなんですけども、決まってからやるというのも一つの手なんですが、そうするとその工事期間で1年2年となると、スピードを求める業界にとっては、もうその時点でリストから外れてしまうということになるので、やはり今準備をしておく必要性は痛感してます。地盤をきっちりとして、速やかに工場が建てられるような整備をしたいというふうに思っていますが、結構事業費もかかると思いますけども、先ほど申し上げましたようにその事業費というのは、売却等々するときに上乗せして回収するという仕組みになっています。

 大体、工事費を、あくまでも予想ですけども、工事費を入れて売却しようとしたときの単価も、いろんな複数の企業に聞くと妥当な線じゃないかな、という金額ぐらいではできるというふうな確信を持ったので、この機会にやるべきだというふうに判断しました。

 

(テレビ愛媛)

 もう1点、企業会計の関係で、今治病院の関係なんですが、建築費も高騰している中で、今回予算化を見送ったということですけど、この事業自体を見直すというような。

 

(知事)

 そうですね事業自体が必要性を、もう公約でも掲げているとおりやっていますので、そのコストを抑えるためにどうするべきかということはいろいろと検討の余地はあると思っていますので、その辺は県だけで決められる話じゃないので、地元、今治市や今治市の医師会等々とも協議しながらですね、妥協点、合意点を探して、何とか実施できるように頑張っていきたいなというふうに思ってます。

 

(テレビ愛媛)

 建設の時期とかそういうのがずれるとか。

 

(知事)

 まだ分かりません。

 

(愛媛新聞)

 すみません、愛媛新聞です。今、今治病院の話が出たので関連なんですけれども、事業全体を見直すことはないと思うんですけど、例えば規模感であるとか着工の時期とか、着手の時期とか、何を見直すことになるんですか。

 

(知事)

 全てです。

 

(愛媛新聞)

 物価の高騰とか、建設費とかあると思うので。全部見直すのですか。

 

(知事)

 全部です。全部ですね。

 

(愛媛新聞)

 もう1回チェックし直すということですか。

 

(知事)

 チェックし直すということですね。はい。

 

(愛媛新聞)

 もう一点別件なんですけど、概要の中ではないのですが、県民文化会館の南側県有地の活用推進事業あると思うのですが、これ活用の方向性の改定を想定されていると書いておりますが、具体的にその土地の使い方は変えない、MICE機能を強化するというのは維持したまま、では、どういった点を改定をする想定でいらっしゃるんでしょうか。

 

(知事)

 前もこの席でお話させていただいたんですけども、ちょっと欲張り過ぎた点があってですね、そもそもMICE機能のいろんな設備というのは、簡単に言えば、会議室の不足なんですね。今の県民文化会館では会議室、大きなホールとか整備されていますけども、いろんな大会等々をやるに当たっては、会議室がどうも不足していると。それを民間の投資で賄えないかというところからスタートしてました。

 このMICE機能の会議室の運用というのは、民間側からすれば収益を生むものではないので、なかなかハードルが高いんですよね。そこで、二の足を踏んでしまう、それでも行きたいという場所の魅力はあったんだけども、資材が高騰する、いろんな要因が重なって残念ながらチャレンジにつながらなかったんですけども、こうしたところを考えると、例えば小会議室の方はある程度、県も考える必要があるのかなと。

 今のおそらく数社はもし条件が整えばぜひやりたいという気持ちを持たれているように聞いてますので、その辺の条件をどう整理したらいいかというのは、今のところまだ検討段階です。

 

(読売新聞(幹事社))

 そのほかございませんでしょうか。それではこれで会見を終わります。ありがとうございました。

 

 

 

※議事録については、読みやすさや分かりやすさを考慮し、発言の趣旨等を損なわない程度に整理しております。

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