本文
愛媛県こども計画(案)の概要
1 「愛媛県こども計画」策定の趣旨
1 計画の目的
国のこども大綱を踏まえ、すべてのこどもの権利擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる「こどもまんなか社会」の実現を目指し、本県の幅広いこども施策全体を盛り込んだ計画
2 計画の性格
本計画は、本県のこどもに関わる総合的な計画として、次の性格を併せ持つもの(複数の計画を一体的に策定)
- こども基本法に基づく県こども計画
- 次世代育成支援対策推進法に基づく県行動計画
- 県少子化対策推進条例に基づく県基本計画
- 子ども・子育て支援法に基づく県子ども・子育て支援事業支援計画
- 母子及び父子並びに寡婦福祉法に基づく県自立促進計画
- 子どもの貧困対策推進法に基づく県子どもの貧困対策計画
- 成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律に基づく県母子保健計画
- 子ども・若者育成支援推進法に基づく県子ども・若者育成支援計画
※本計画の一部を構成する個別計画として「愛媛県社会的養育推進計画」を策定
3 計画の期間
本計画は、令和7年度から令和11年度までの5年間の計画
4 計画が対象とする「こども」「若者」
本計画が対象とする「こども」「若者」の範囲は、こども基本法及び国のこども大綱を踏まえ、
【こども】
こども基本法第2条で定める、心身の発達の過程にある者とし、必要なサポートが途切れないよう特定の年齢で区分しませんが、国のこども大綱ではおおむね30歳未満としています。
【若者】
中学生年代からおおむね18歳未満までの「思春期」及びおおむね18歳から30歳未満の「青年期」の者とし、「青年期」は施策によってはポスト青年期の者も対象とします。(国のこども大綱)
なお、「こども」と「若者」は重なり合う部分がありますが、対象がポスト青年期も含む幅広いライフステージを通した施策において、特に「こども・若者」の用語を用いています。
また、法令等にならい、「児童生徒」、「少年」、「青少年」等の用語も使用しています。
5 「こども」の表記について
本計画では、「こども基本法」及び「こども大綱」を踏まえ、平仮名表記の「こども」を用いています。
2 基本理念と展開方法
1 計画の基本理念
目指す将来像
すべてのこども・若者が夢を持ち、健やかで幸せに成長し、結婚や子育ての希望が叶う「こどもまんなか えひめ」
「こどもまんなか社会」の実現を目指し、こども・若者や子育て世帯への支援とそれを支える関係者への支援の両面で、今を生きるこども・若者、これから生まれてくるこどもの希望する選択を社会全体で応援するため、次のとおり基本理念を定めます。
- こどもや若者の権利が尊重されるえひめづくり(こどもまんなかの視点)
- こどもが大切にされ、心身ともに健やかに成長できるえひめづくり(こどもの視点)
- 修学、地域活動、就労、結婚、子育てを通して自分らしさを表現できるえひめづくり(若者の視点)
- 幸せな状態でこどもと向き合い、安心してこどもを生み育てられるえひめづくり(子育て当事者の視点)
- 地域が一体となり、こどもを見守り子育てを支え合うえひめづくり(地域の視点)
2 計画の基本目標
次の9つの基本目標により、こどもや子育てに関する施策を総合的かつ計画的に実施
- こども・若者の最善の利益を第一に考える「こどもまんなか」"えひめ"
- 「こども・若者に温もりのある暮らし」を保障する"えひめ"
- 「親子に安心な生活環境」を提供する"えひめ"
- 「命の誕生」が心から祝福される"えひめ"
- 「希望する教育と育ち」が受けられる"えひめ"
- 「希望する教育と自立」を支援する"えひめ"
- 「修学・地域活動・就労・家庭生活を持つことで、ライフキャリアや子育てに夢」が感じられる"えひめ"
- 「家庭・地域の愛情」で育む"えひめ"
- 「子育てと仕事の両立」を実現する"えひめ"
1から3は「こどもや若者のライフステージを通した」基本目標
4から7は「こどもの誕生前から青年期」までの各成長段階に応じた基本目標
8と9は「子育て当事者」を支援する基本目標
3 施策の展開
第1目標 こども・若者の最善の利益を第一に考える「こどもまんなか」"えひめ"(ライフステージ全期間)
基本施策1
こども・若者が権利の主体であることの社会全体での共有
主な取組等
こども意見ファシリテーターの養成
目標指標数は1
主な目標指標
「こども施策に関して自身の意見が聴いてもらえている」と思うこども・若者の割合(新規)
基準値 20.3%(令和5年国調査)
目標値 70%(令和8年)
第2目標 「こども・若者に温もりのある暮らし」を保障する"えひめ"(ライフステージ全期間)
基本施策1
多様な遊びや体験、活躍できる機会づくり
主な取組等
遊びや体験活動の推進、社会習慣の形成・定着
基本施策2
こどもや若者への切れ目のない保健・医療の提供
主な取組等
企業内でのプレコンセプションケアの取組を推進
基本施策3
こどもの貧困対策
主な取組等
こどもの保育、就学及び保護者の生活に対する支援
基本施策4
障がい児支援・医療的ケア児等への支援
主な取組等
障がい児等のニーズに対応したワンストップ相談体制の充実
基本施策5
児童虐待防止対策と社会的養育の推進及びヤングケアラーへの支援
主な取組等
家庭的な温もりが感じられる養育環境の確保
基本施策6
不登校・ひきこもり等への支援
主な取組等
不登校等の未然防止及び社会的自立に向けた生き方支援
基本施策7
その他の配慮が必要なこども・若者の支援
主な取組等
外国人児童生徒等に対する就学支援
目標指標数は18
主な目標指標
県事業に参加し、プレコンセプションケアに取り組む企業の数(新規)
基準値 なし(令和6年)
目標値 累計30社(令和8年)
里親・ファミリーホームへの児童の委託率
基準値 30.5%(令和5年度)
目標値 55.7%(令和11年度)
第3目標 「親子に安心な生活環境」を提供する"えひめ"(ライフステージ全期間)
基本施策1
こども・若者の自殺対策、犯罪などからこども・若者を守る取組
主な取組等
こどもを犯罪や事故等から守るための活動の促進
目標指標数は9
主な目標指標
十代の自殺死亡数
基準値 6人(令和5年)
目標値 減少(令和11年)
こどもの見守りを行う営業用車両であるまもるくんの車の登録数
基準値 7,489台(令和6年)
目標値 増加(令和11年)
第4目標 「命の誕生」が心から祝福される"えひめ"(こどもの誕生前から幼児期まで)
基本施策1
結婚前から妊娠期、出産、幼児期までの切れ目ない保健・医療の提供
主な取組等
妊娠を望む人や不妊に悩む人への支援
目標指標数は10
主な目標指標
妊産婦等生活援助事業所での支援内容に満足した妊産婦の割合(新規)
基準値 なし(令和6年)
目標値 100%(令和11年)
1歳6か月児健康診査の受診率
基準値 94.3%(令和5年)
目標値 増加(令和11年)
第5目標 「希望する教育と育ち」が受けられる"えひめ"(こどもの誕生前から幼児期まで)
基本施策1
こどもの誕生前から幼児期までのこどもの成長の保障と遊びの充実
主な取組等
保育士の確保、保育の質向上、保育の仕事の魅力発信等
目標指標数は7
主な目標指標
勤務保育士数(新配置基準に沿った保育を実施するための必要数)(新規)
基準値 5,916人(令和6年)
目標値 7,000人(令和8年)
認定こども園の認可・認定数
基準値 127か所(令和6年)
目標値 157か所(令和11年)
第6目標 「希望する教育と自立」を支援する"えひめ"(学童期・思春期)
基本施策1
こどもが安心して過ごし学ぶことのできる質の高い公教育
主な取組等
学校と家庭や地域との連携・交流の促進
基本施策2
居場所づくり
主な取組等
放課後児童対策の総合的な推進
基本施策3
小児医療体制、心身の健康等についての情報提供やこころのケアの充実
主な取組等
小児科医師の確保や地域の実情に応じた小児救急医療体制の整備
基本施策4
成年年齢を迎える前に必要となる知識に関する情報提供や教育
主な取組等
こども・若者がライフデザインを描く支援
基本施策5
いじめ防止
主な取組等
いじめや不登校の相談に応じる24時間体制の電話相談
基本施策6
不登校のこどもへの支援
主な取組等
校内サポートルーム及び「メタサポキャンパス」における支援
基本施策7
校則の見直し
主な取組等
こどもや保護者等関係者からの意見聴取
基本施策8
体罰や不適切な指導の防止
主な取組等
体罰や不適切指導の根絶
基本施策9
高校中退の予防、高校中退後の支援
主な取組等
復学・就学支援や地域若者サポートステーションによる就労支援
目標指標数は19
主な目標指標
放課後児童支援員数
基準値 1,223人(令和5年)
目標値 1,800人(令和8年)
えひめこどもの城の来園者数
基準値 386,270人(令和5年度)
目標値 460,000人(令和10年度)
第7目標 「修学・地域活動・就労・家庭生活を持つことで、ライフキャリアや子育てに夢」が感じられる"えひめ"(青年期)
基本施策1
高等教育の修学支援、高等教育の充実
主な取組等
生活困窮世帯等への進学費用等の支援
基本施策2
就学支援、雇用と経済的基盤の安定のための取組
主な取組等
ジョブカフェ愛workによる職業相談、就職から職場定着まで支援
基本施策3
結婚を希望する方への支援、結婚に伴う新生活への支援
主な取組等
出会いの場の創出や婚活支援の充実・強化
基本施策4
悩みや不安を抱える若者やその家族に対する相談支援
主な取組等
心と体の健康センターにおけるひきこもりや性に関する相談・こころのケア
目標指標数は5
主な目標指標
若年無業者の進路決定者数
基準値 101人(令和5年)
目標値 200人(令和11年)
えひめ結婚支援センターの成婚報告数
基準値 1,522組(令和5年)
目標値 2,120組(令和8年)
第8目標 「家庭・地域の愛情」で育む"えひめ"(子育て当事者への支援)
基本施策1
子育てや教育に関する経済的負担の軽減
主な取組等
「子どもの愛顔応援ファンド」を活用したこども・子育て支援の充実
基本施策2
地域子育て支援、家庭教育支援
主な取組等
ファミリー・サポート・センターの設置・運営支援
基本施策3
ひとり親家庭への支援
主な取組等
ひとり親家庭に対する就業、子育て支援及び相談支援の充実
目標指標数は12
主な目標指標
LINE版愛顔の子育て応援サイト「きらきらナビ」利用登録者数
基準値 5,902人(令和6年12月)
目標値 7,000人(令和11年)
高等職業訓練促進給付金受給者の就業率
基準値 67%(令和5年度)
目標値 100%(令和11年度)
第9目標 「子育てと仕事の両立」を実現する"えひめ"(子育て当事者への支援)
基本施策1
共働き・共育ての推進、男性の家事・子育てへの主体的な参画促進・拡大
主な取組等
子育てしやすい職場づくり、働き方改革の促進
目標指標数は4
主な目標指標
育児休業取得率
基準値 女性87.1%(令和5年)、男性28.5%(令和5年)
目標値 女性91.7%(令和8年)、男性85.0%(令和8年)
仕事と生活の調和の実現が図られていると感じる人の割合
基準値 35.0%(令和6年)
目標値 向上(令和11年)
4 計画の推進
1 計画推進のための各主体の主な役割
(1)県の役割
- こども・若者から意見を聴取しながら、こども計画を推進します。
- こども・子育て施策に関する県民の当事者意識を広く喚起し、各種取組への自発的・積極的な参加を促すため、あらゆる機会を通じて、計画に掲げた施策の周知等に努めます。
- 計画の進捗状況について、毎年度、点検評価を行うとともに、社会経済情勢の変化や国の制度改正等に対応し、必要に応じて見直しを行っていきます。
(2)市町に期待する役割
- こども・子育て施策を推進するためには、住民にとって一番身近な自治体である市町の果たす役割が極めて重要です。このため、地域の実情やニーズに即した実効性のある施策をきめ細かく展開していただくようお願いします。
(3)家庭に期待する役割
- 家庭は、子育ての第一義的責任を負っています。こどもが、日常生活の中で基本的な生活習慣や社会的な規範を身に付けるとともに、個性や能力を伸ばしていけるような関わり合いやふれあいをお願いします。
- 家族の一人ひとりがお互いを尊重しながら、家事や育児などについて共に責任分担し、支え合っていくことが重要です。
- 子育てに関する不安や悩み、更には具体的な支援要望などがありましたら、遠慮なく行政機関や地域活動団体等へ相談していただくようお願いします。
(4)企業(事業所)に期待する役割
- 子育てと仕事の両立を図るうえで、企業の果たす役割は極めて重要です。子育て家庭で男女が協力して家事や育児に参加できるよう、労働時間の短縮、育児休業、年次有給休暇など各種制度の充実を図るとともに、これらを活用しやすい職場環境づくりに積極的に取り組んでいただくようお願いします。
(5)地域活動団体(NPO、ボランティア団体等)・住民に期待する役割
- こどもや子育て家庭を地域であたたかく見守り、積極的に応援していただくようお願いします。
- それぞれの地域において、子育て家庭や学校・関係団体などが連携し、文化・スポーツ活動、ボランティア活動等を通じて、こどもや大人が交流し合う心豊かなコミュニティづくりを進めていただくようお願いします。
- こどもの健全育成や交通事故防止の取組、さらにはこどもを犯罪などから守るための取組等を、地域全体で積極的に進めていただくようお願いします。
2 計画の推進体制
保護者や子育て支援者、事業主・労働者の代表者、学識経験者等で構成する「愛媛県子ども・子育て会議」において、計画の総合的な進捗管理を行うとともに、必要に応じ計画の見直し等について審議を行います。
また、関係各課で構成した庁内組織により、各種事業の調整や協議等を行い、本計画を総合的かつ効果的に推進します。
このほか、市町や関係団体等との連携を緊密に行うとともに、官民共同による本県オリジナルの「子どもの愛顔応援ファンド」を活用して、子育て世帯やこどもへの支援、地域におけるこどもの支援活動の拡充に取り組んでいきます。
お問い合わせ
愛媛県 保健福祉部 生きがい推進局 子育て支援課 少子化対策・男女参画室 企画グループ
TEL:089-912-2413 FAX:089-912-2409