日本沿岸から東シナ海に分布する温帯性の魚で、日本では南の日本海や房総半島に多く生息しています。クエとともに高級魚として知られています。
山陰から九州西部にかけての日本海側、房総半島以南の太平洋沿岸、東シナ海、南シナ海まで広く漁獲されています。ハタ科の中でも大型で、特に天然物は数が少ないため高級魚となっています。
マハタとクエはどちらもハタの仲間で成長すると1mを越える魚です。マハタは10㎏、クエは20㎏を越えると一部がオスに性転換する珍しい魚でもあります。その生態を生かし、稚魚生産のため、一部を大きなオスの魚に育てる必要があり、愛媛県では1980年からマハタを、1992年からクエの研究をはじめ、今では稚魚の安定生産を行うことに成功しました。マハタは約3年、クエは約4年の養殖を経て2㎏程度で出荷されています。長い研究を重ねたこと、養殖業者の技術が向上したこと、さらには宇和海のきれいな環境が相まって、マダイやブリよりも高級な魚として取引されています。
愛媛県水産研究センターでは、1980年からマハタ、1992年からクエの養殖の研究をスタート。2000年代初めには、卵からふ化させた稚魚を大量に安定して生産することに成功しました。その稚魚から養殖業者さんによるマハタとクエの養殖が可能になりました。
養殖を始めた当時は、マハタとクエはまだ新しい養殖魚種でした。技術が優れ、チャレンジ精神旺盛な若い漁業者を中心に、県が「認定漁業士」を認定。意欲を持った若手の活躍により養殖技術が向上し、安定生産が可能となりました。
マハタは中華料理の高級食材として、クエは、クエ鍋の食材として東京や大阪の料亭に多く出荷されています。マハタもクエもコラーゲンを多く含む白身魚で、女性にも人気のある魚です。
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