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愛媛甘とろ豚生産農家「松木産業」の紹介

ページID:0009216 更新日:2021年8月6日 印刷ページ表示

健康な豚にこだわる親子の挑戦

45年のキャリアを持つ優秀な養豚家

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 夏の盛り、有限会社松木の養豚場では、豚舎の屋根の上に設置されたスプリンクラーから水が噴き出し、その水は屋根の先端から流れ落ちていました。

濡れた地面がほどなく乾く猛暑の中、水のベールで覆われたような状態の豚舎の周辺だけは涼が感じられます。

「豚は暑いのが嫌いだから暑さ対策が重要です。人間だってこれだけ暑いと食欲もなくなるし、ぐったりするでしょう?この季節はスプリンクラーが大活躍ですよ」

 そう話すのは、約45年前に養豚業を始めた松木利二さん。

その横で息子の秀明さんが「豚舎の中は換気扇が回っているし、外より随分涼しいですよ」と話します。

 高校を卒業した利二さんは農業を生業とする将来を思い描く中で、養豚業を始めようと考えたそうです。

愛媛県の農業研修を利用し、静岡県で養豚の技術やノウハウを学んだ後、20代で養豚業を始めます。

「0からの出発だったから最初は自宅のある敷地内でこぢんまりと豚を育てていました。パートの仕事もしながら」と、利二さんは当時を振り返ります。

5、6年経ち、規模の拡大を図ろうと現在地に豚舎を移しました。豚舎は利二さんが建てたそうです。

 「いい豚、元気な豚を育てたい」という一心で、利二さんは奥さんと共に熱心に養豚業に取り組みました。その結果、「優秀な畜産農家」として一目置かれる存在になったのです。

 息子の秀明さんが本格的に養豚業に携わるようになったのは27歳から。

そのきっかけについて秀明さんは「足が痛くなった母が仕事を続けるには無理があったからです」と控えめに話しますが、その胸の内には「養豚を生業にする」という覚悟があったようです。

秀明さんのその思いは、愛媛甘とろ豚の生産者になるという新しい道へ繋がっていきました。

父の思いを継ぐ息子の新たな道

父の思いを継ぐ息子の新たな道の画像

 平成25年9月から松木さん親子は、愛媛甘とろ豚の生産を始めます。

「60歳の時に経営移譲をしてからは息子が中心。私は交配と設備関係を担当していますが、他のことは息子に任せています。甘とろ豚を始めることについても息子が決めました」と利二さん。

秀明さんは利二さんから教えてもらった養豚技術に加え、勉強会で学んだことなどを参考にしながら、豚を健康に育てるための新しい方法も取り入れています。

たとえば離乳期の下痢の対策として消化酵素入りのサプリを与えるようになったのも、愛媛甘とろ豚を生産するようになってからです。

現在、自動保育器を使用する試みも進行中だそう。

「甘とろ豚は前に飼っていた豚とは性質が違うので、甘とろ豚のことについては先輩農家さんにいろいろ教えてもらっているようです。大洲の松田さんに頻繁に電話していますよ」と、利二さんは秀明さんの姿に目を細めます。

 「うちは糞尿処理場を養豚場とは別の場所に設けています。近隣への臭いを抑えるためと豚の病気予防のために父が整えた環境です。父がこれまでしてきたように、安心して食べてもらえる健康で美味しい豚を育てることを第一に考え、環境を整え、技術を磨きたいと思っています」

 豚舎では暑さにばてることなく元気に過ごす豚の姿が見られました。

松木さん親子は平成28年に豚舎を建て替える計画を立てているそうです。豚にとって益々快適な環境になることでしょう。

 「甘とろ豚は太りにくいと聞いていたけど、そんなことない。しっかり元気に育っていますよ」利二さんはうれしそうにそう言いました。


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