ホーム > 県政情報 > 情報公開・個人情報保護 > 情報公開 > 情報公開制度及び個人情報保護制度のご案内 > 情報公開制度の概要 > 特別養護老人ホーム整備のためのヒアリング状況の記録案件
ここから本文です。
更新日:2013年1月15日
平成11年10月26日付けで愛媛県知事(以下「実施機関」という。)が行った非公開決定は、妥当である。
異議申立人が、異議申立書及び実施機関の非公開理由説明書に対する反論書において主張する異議申立ての理由は、概ね次のとおりである。
特別養護老人ホーム整備については、多額の国庫補助金を受けるのであるから、当該施設整備についての協議書だけで判断せず、関係する設置者及び設置予定の町村の担当職員から説明を受ける「ヒアリング」時の状況が分かる書類を公文書として残す必要があると考える。
本件ヒアリングは、国庫補助を受けるための協議書の内容を整備するための行為であり、市町村担当者等に指示が伝われば足りるものであり、記録することは行っていないし、必要性もないという県の姿勢は問題である。そして、ヒアリングの状況が不透明であり、文書不存在というこれまでの態度は見直すべきである。
特別養護老人ホームの補助金の不正受給が「彩福祉グループ事件」でも露見し、国内でも、いくつもの例がある。そして、政経ジャーナル99年1月号によると松山市でも行われていた。それによると、松山市に建設された特別養護老人ホームの法人代表に国会議員で当時、建設大臣の関谷勝嗣代議士の名義貸しで、ヒアリングが行われた事実がある。また、今回、大西町の設置者も診療報酬不正請求の疑いがもたれ、本人が取下げをしたと聞いている。
協議書の中には「設置者の適性」等もあり、ヒアリング時に十分な審査が行われていたらと残念でならない。
以上のように多額の公費を受ける特別養護老人ホーム整備に係るヒアリングの公文書の不存在は、納得できない点が多く、記録を行い公文書として作成されることを要望する。
平成12年度における特別養護老人ホーム整備のためのヒアリング状況の分かるものに関する公文書は、以下に述べるとおり存在しない。
特別養護老人ホームは、県及び市町村の老人保健福祉計画に基づき計画的に整備が進められているところであるが、平成12年度においては、昨年12月に策定された「今後5か年間の高齢者保健福祉施策の方向」(「ゴールドプラン21」)に掲げられた平成16年度における介護サービス提供量等を踏まえ、計画的な整備を進めることとされている。
平成12年度の特別養護老人ホームの整備に係る国庫補助の事務手続は、次のとおりである。
前記2(3)の県担当職員によるヒアリングは、県が、国庫補助金交付の要件である施設の設備基準との適合性、補助額の補助金交付要綱との適合性、用地取得の確実性、整備費用の資金調達の確実性、設置主体が社会福祉法人である場合には当該法人の社会福祉法人認可基準との適合性等を審査する過程において、県に提出された協議書及び添付書類の記載事項のうち不明である事項や補正を必要とする事項について、設置主体の担当者及び設置予定の市町村の担当職員に対し説明を求めたり、協議書等の補正を指示するために行ったものである。
当該ヒアリング時の指示に基づき、市町村担当者等は、協議書を訂正し、差し替えの必要なものは、後日県へ提出するなど、老人福祉施設整備に係る国庫補助を受けるために必要な協議書の内容を整備したものである。
前記3のとおり、市町村等に対するヒアリングは、老人福祉施設整備に係る国庫補助を受けるための手続として国が求めている当該施設整備についての協議書の内容を整備するための行為であることから、県の担当者から市町村担当者等に指示が伝われば足りるものであり、実際に当該ヒアリングの状況を記録することは行っていないし、その必要性もない。
したがって、不服申立者から請求のあった平成12年度における特別養護老人ホーム整備のためのヒアリングの状況の分かるものに係る公文書は存在しない。
審査会は、実施機関における条例の解釈運用についての妥当性を審査することをその目的としていることから、審査会の答申としては、本来、本件請求対象公文書の存否の認定のみで足りると考えられる。
しかしながら、異議申立人は、実施機関はヒアリングのやり取りの状況、問題点などを記録しておくべきであり、これらの記録がないというのでは、ヒアリングの状況が不透明であり、したがって、文書不存在というこれまでの態度は見直すべきであると主張しているとおり、本件請求対象公文書の存否だけでなく、ヒアリング状況について記録した公文書の必要性について言及していると考えられるので、当審査会としては、その実質的争点である本件請求対象公文書の作成が必要であったかどうかについても検討を行った。
特別養護老人ホームの整備に当たっては、老人福祉法(昭和38年法律第133号)により、当該設備に要する費用については国が負担又は補助することとされているが、その国庫負担(補助)(以下「国庫補助」という。)が行われるまでの事務の流れは、別紙のとおりであり、本件ヒアリングは、県が、国庫補助金交付の要件である施設の設備基準との適合性、補助額の補助金交付要綱との適合性、用地取得の確実性、整備費用の資金調達の確実性、設置主体が社会福祉法人である場合には当該法人の社会福祉法人認可基準との適合性等を審査する過程において、県に提出された協議書及び添付書類の記載事項のうち不明である事項や補正を必要とする事項について、設置主体の担当者及び設置予定の市町村の担当職員に対し説明を求めたり、協議書等の補正を指示するために行われたものであると認められる。
本件請求対象公文書は、国庫補助を受けるために設置主体から提出された協議書を基に、県高齢者福祉課老人施設係の職員が、当該設置主体及び関係市町村の担当職員(以下「市町村等担当者」という。)に対しヒアリングを行った際の当該ヒアリング状況を記録したものと認められる。
実施機関は、本件請求対象公文書は作成しておらず、存在しないと主張しているため、当審査会は、平成12年6月5日に、審査会会長が実施機関に赴き、当該国庫補助に係る関係書類の調査を行ったが、その結果は、次のとおりである。
以上述べたとおり、実施機関に対する説明聴取及び関係書類の調査の結果、本件請求対象公文書の存在は認められないことから、当審査会は、「第1 審査会の結論」のとおり判断するものである。
なお、本件ヒアリングについては、前記5で述べたとおり、当該ヒアリング状況を記録した公文書を残す必要性まで認めることはできない。
年月日 |
処理内容 |
---|---|
平成11年12月28日 |
諮問 |
平成12年1月5日 |
実施機関に非公開理由説明書の提出依頼 |
平成12年1月28日 |
実施機関からの非公開理由説明書受理 |
平成12年2月3日 |
異議申立人に非公開理由説明書送付 |
平成12年2月29日 |
異議申立人からの反論書受理 |
平成12年3月22日(第1回審査会) |
審議 |
平成12年6月5日 |
審査会会長による関係書類の調査 |
平成12年6月5日(第2回審査会) |
審議 |
平成12年8月21日(第3回審査会) |
審議 |
職名 |
氏名 |
現職 |
---|---|---|
委員 |
門田 圭三 |
南海放送 株式会社 常任相談役 |
会長職務代理 |
藤山 薫 |
弁護士 |
委員 |
望月 清人 |
松山大学教授 |
会長 |
百地 章 |
日本大学教授 |
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください