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平成18年度当初予算案等に関する記者発表の要旨について

ページID:0008712 更新日:2017年12月4日 印刷ページ表示

 

日時 平成18年2月17日 11時00分~
場所 知事会議室

平成18年度当初予算案等記者発表

(知事)
それでは、まず当初予算の方から発表させていただきます。今回の平成18年度当初予算におきましては、未だかつて経験したことのない厳しい財政状況を踏まえまして、財政構造改革の初年度として、大規模事業や県単独補助金の見直しなど歳入歳出全般にわたりまして徹底した見直しにより取り組むことといたしておりますが、それと併せて、残り少ない基金の活用はもとより、職員の臨時的な給与カットに踏み切り、財源の捻出を図った次第であります。
最終的な財源不足は、地方交付税の減少などによりまして、昨年10月の時点での中期財政見通しの320億円からさらに376億円へと56億円財源不足が拡大いたしておりまして、職員の給与カットなしでは、今回の予算編成は不可能であったと考えております。
そのような中でございますけれども、県議会各会派の要望も踏まえまして、少しでも未来に希望が持てるように、「特別枠」や「ゼロ予算事業」なども活用して、政策の「選択と集中」による財源の重点的・効率的な配分に努めたところでございます。
具体的には、経済格差が懸念されております南予地域の振興や、投資的経費の減少により厳しい状況にある建設産業の再生と離職者対策などに重点を置きながら、「愛媛の元気創造」に向けた「第五次長期計画後期実施計画」の具体化を図ることといたしました。
なお、大規模事業につきましては、地域や基本的な機能への影響に配慮しながら、進度調整や年度間の平準化等の見直しを行いました結果、「伊予松山港連絡道路」など4件の計画を再検討又は凍結いたしますとともに、「新繊維産業試験場整備事業」など8件の事業期間あるいは内容を見直すことによりまして、改革期間全体、平成18年度から21年度までの間の事業費削減効果額は、約315億円と見込んでおります。
後期実施計画の体系に沿って、今回の予算の主要項目を申し上げますと、まず第1が愛媛の現在と未来を担う「人材」の育成でございまして、これについては、老朽化が著しい県立学校校舎について、耐震化に重点を置いた改修・改築を進めることといたしております。また、平成29年の愛媛国体開催に向け、民間の寄附金による基金等も活用し、競技力向上対策などの準備を進めることとしております。
第2点目が助け合い支え合う地域社会の構築でございまして、これにつきましては、「子ども療育センター」は、予定どおり平成19年4月の開設に向けて準備を進めます。ボランティアキャンペーンを、本年度の成果を踏まえて、平成18年度は夏・冬の年2回実施に拡大いたしますほか、入門講座やボランティア団体に対する企業の支援など、県民総参加によるボランティア活動の活性化を図ることといたしております。県立中央病院は、PFI方式によりまして本院の建替え整備に向け、必要な調査・検討に着手いたします。へき地の医師確保のため、県内へき地医療に従事しようとする医学生への本県独自の奨学金制度を創設いたします。
第3点目が安全・安心で快適な暮らしの実現でございますが、これにつきましては、南海地震等の大規模災害への対応や災害ボランティア活動の支援体制の整備に取り組むことといたしております。また、土砂や流木等による被害防止のため、集落周辺や渓流域の森林整備に重点的に取り組むことといたします。
第4点目が再生と創出によるたくましい産業の育成でございますが、これについては、まず、南予地域の経済活性化を促進するため、高速道路の南予延伸を最優先で進めますとともに、南予の優れた地域資源を活用したビジネスの育成・創出や観光振興を支援いたしますほか、みかん研究所の整備や真珠養殖業への支援など、基幹産業である農林水産業への重点的支援に努めたいと考えております。なお、みかん研究所は、予定どおり平成19年4月の開所へ向け、本館等を整備いたすこととしております。雇用対策としては、若年者への就職支援をはじめ、中高年離職者や障害者に対する職業訓練等を実施いたします。経営環境の厳しい建設産業の再生支援と、建設業離職者の再就職支援など雇用の安定に取り組みたいと考えております。なお、さらに、かんきつの寒風・雪害被害に対し、資金や樹勢回復を支援いたします。
第5点が暮らしと産業を支える基盤の整備でございますが、これにつきましては、新直轄方式による高速道路の南予延伸や大洲・八幡浜自動車道の建設促進など交通基盤の整備を推進いたします。
その他といたしまして、県税の滞納処理強化や広告料導入等による歳入確保、「えひめ夢提案制度」による規制緩和や「ゼロ予算事業」の積極的な施策化に取り組みたいと考えております。
また、厳しい財政状況を踏まえ、職員の臨時的な給与カットに合わせて、特別職の給与についても、引き続きさらなる削減を行うことといたしております。
なお、県警の捜査報償費については、会計経理の透明性について一定の確保が図られていると考えられることなどから、国から県に交付される警察活動費補助金のうち、捜査費相当見込額をもとといたしまして、1,956万4千円を計上いたすこととしております。17年度2月補正予算は、不足見込額191万円の県警側の要求を認めて計上いたしたいと思っております。これで、平成17年度の年間所要見込額は1,563万円となります。
この結果、今回の当初予算額は、一般会計で約6,190億円でございまして、5年連続のマイナスとなる超緊縮型予算となりました。対前年度比の伸び率が96.5パーセントでございまして、17年度当初予算と比較いたしますと、総額一般会計では225億円の減額となります。特別会計の予算が約181億円、企業会計が約591億円でございまして、合計約6,962億円となります。
なお、一般会計の規模は、知事選挙の影響で骨格予算となりました平成7年度を除きますと、平成5年度の予算に次ぐ規模でございまして、ある意味では、13年前近くに遡るような形態でございます。それから、特別会計・企業会計を合計いたしました6,962億円の全体の規模も同じように平成5年度の規模に次ぐ少ない、小さい規模ということで、13年近くまでに遡るような実力ということになります。
次に、平成17年度2月補正予算は、子ども療育センターの整備やかんきつの寒風・雪害対策、アスベストの除去対策等を増額補正いたします一方、国庫補助金の変動等による減額補正を行いまして、約5億5千万円の減額補正予算を計上いたすこととしております。
当初予算に引き続きまして、平成18年度に取り組むゼロ予算事業について説明させていただきます。ゼロ予算事業は、特段の予算措置を伴わず、既存の資産や機能を有効活用し、職員の創意工夫のもと、県民等との連携により住民等のニーズに対応したきめ細かい行政サービスを提供する事業のことでありまして、本県では、これまでも保健衛生や農業分野等で専門的な知識・技能を持つ職員による出前講座や、県立学校のグラウンドの一般開放などのゼロ予算事業に取り組んできたところでございます。
しかしながら、本県の財政状況が厳しさを増します中で、可能な限り行政サービスの低下を回避いたしますためには、このようなゼロ予算事業の取組みがますます重要となりますことから、平成18年度から通常の予算事業と合わせて、ゼロ予算事業の推進に全庁挙げて取り組むことといたしておりまして、今回、来年度の取組みを取りまとめたので、当初予算と一緒に公表することといたしました。
具体的な取組みにつきましては、お手元の資料にございますように、人材の有効活用を図るものとして、先程も紹介した出前講座、また、県立図書館における起業や就職等ビジネスに関する情報支援サービスなどでございます。ハード資産の有効活用を図るものといたしましては、県有施設の空きスペースでのイベント開催や地方局ロビーでの文化ギャラリーの開催などを考えております。
情報発信に関する取組みといたしましては、就業やボランティアにチャレンジしたい女性に、必要な情報を県のホームページ上で一元的に掲載する「女性のチャレンジ支援サイト」の開設などでございます。ネットワークの有効活用を図るものとして、県民に対し、通勤時に公共交通を利用してもらう「ノーカーデー」の導入を、県の広報媒体等を通じて呼びかける取組みなどでございます。
合計82の事業を実施することといたしておりますが、これらに限らず実現可能な取組みについては、随時実行に移したいと考えております。
なお、県ではゼロ予算事業以外にも、若干の経費支出は伴いますものの、県民等の支援・協力のもと、大きな効果をもたらす事業として、これまで愛リバー・愛ロード・愛ビーチや治水対策協働モデル事業、サマーボランティア・キャンペーンなどに取り組んできたところでございます。
今後は、これらに加え、今年度創設した森林環境保全基金を活用した「県民参加の森づくり公募事業」や来年度新たに立ち上げる「提案型協働事業促進モデル事業」の活用などにより、県民やNPO団体、ボランティア等からの提案も積極的に受け入れ、ゼロ予算事業をはじめとした県民との協働・連携の取組みを積極的に推進してまいりたいと考えております。

 

(NHK)
去年10月時点よりも財源不足が拡大する中、新規事業もかなり盛り込まれ、創意工夫もあると思うが、一方、一般会計に繰り入れる基金の額が17年度とほぼ変わらない水準ということで、その結果、基金の残高もかなり減ってきていると思う。基金の面も含めて、今回の予算案全体に対する知事の評価はどうか。

 

(知事)
四苦八苦の予算編成となりましたが、金額は別として「元気創造枠」でいろいろな形でのきめ細かい未来への展望を拓きたいという形での対応で、これは財源的には大きなものではございませんでした。ただ、全般的に言って56億円のさらなる財源不足、これを補う方法としては基金の投入しかあり得ない。ほとんど「はたき尽す」に近い状態にならざるを得なかったということで、今年度の予算はこれで提案させていただきますけれども、執行の段階でさらに節約・削減に努めていただいて、結果として決算段階でかなりの剰余金という形で浮かせた財源を可能な限りまた基金に積み戻すということで、当面、基金の大幅な底を突く減少だけはなんとか食い止めたいということでございまして、元々この財政構造改革路線に踏み切ったときには、4年間の間に現在の基金を積み増して、大災害が起きても現金出動が可能なような、財政再建準用団体に転落しないような方途ということを構想としてスタートいたしましたけど、かなり実現が難しい状態とは考えておりますけれども、極力努力して今後19、20、21年度の間の財政構造改革の徹底によって、基金へいくらかでも積み戻すか、あるいは目減りを防ぐという努力を続けていかなきゃならないと考えております。

 

(NHK)
大規模事業の見直しで、最も重要とした事業、工夫したポイントはどうか。

 

(知事)
先程申し上げましたが、南予への高速道路の延伸を最優先と申し上げたのは、言うなれば南予の、特に水産物・生鮮食料品等の関東あるいは近畿圏への物流といった点を考えた手段が一つ。それから、緊急医療体制で南予の方々が生命を救うかどうかといったときの、例えば松山での高度医療機関へのアクセス時間の短縮といった点。さらには、文化・スポーツ面その他で松山圏からの日帰りが可能な状態にできればしたいということ。もっと大きいことは、想定される南海地震等の時の、今の国道56号1本という状態ではなくて、それに代わるべき代替輸送路というような意味合い等々も含めまして、これを最優先とさせていただいたということであります。
で順番は、どれとどれと厳密に付けているわけではありませんが、緊急を要するかどうか、地域間格差の是正に資するかどうか、また、費用対効果の点で優先順位をどうするか、そういった点の中で、今現実問題としては、県財政を例えば直接県が実施するものも含め、あるいは国が実施する事業の負担金も含め、県の支出、財政支出に大きな影響を与える度合い等も勘案して、可能な限り凍結・延伸という方向で考えている中、とりあえず今どうしなければならないかというアクセントを先程申し上げたように付けていっているということで、完全な順位を付けたわけではありませんが、毎年度の予算編成の中で、ここへ取りかかるにはちょっと1年待とうよ、2年待とうよ、場合によっては4年待とうよ、5年待とうよ、という形で延ばせるものはどれかということを、これから具体的な予算編成段階で現実の財政出動とにらみ合わせながら考えていくことで、対応したいと思っております。

 

(南海放送)
大規模事業の見直しでは、JR松山駅関係で拠点施設の再検討又は凍結と立体交差事業の見直しが入っているが、JR松山駅関係がこの中に入ってきた基本的な考え方を教えてほしい。

 

(知事)
今はまだ計画調査段階でございますから、具体的な財政出動は当然のことながら、土地の交換、新しい移転基地への土地購入、それとの交換、あるいは工事着手等々大きな財政出動を伴うものは、可能な限り22年度以降の財政支出にしたいという点で、当面はまだ計画準備を今進めている段階のものは、大きな財政支出を伴うものではありません。しかしながら、具体的にどういう形で全経費が想定どおり今までのような規模でやれるのかどうか、やるとした場合に県の財政支出がいくらになるのかということも少し慎重に考えていきたいということで、言うなれば、予定どおりの進め方というのは平成29年国体へ向けて間に合うような工程でやるとすると、かなり財政構造改革期間中の財政出動にならざるを得ないという点で、それより後で考えるとするならば、結果として国体までの完成は難しくなってるのかなというのが今の状況でございます。

 

(南海放送)
JR松山駅関係では、付替道路でまだ松山市と協議が難航していると思うが、その部分の影響はあるのか。先が見えないということで、凍結するというような考え方はあるのか。

 

(知事)
全体像の中で、もちろん国の補助金がかなり出ますけれども、言うなれば高架事業の中で占める県の負担割合、それから松山市の協力度合い、これも結果的にいうと、お金の問題として、何十億円をどれだけ見てもらえるのか、あるいはそういった具体的な細目はたくさんありますから、これ県がやるか松山市がやるか、県がやる場合の松山市の協力度合いとかいう金目の問題としては、今、事務レベルでは、かなり難航しているということもございますので、言うなれば財政負担が総計、県の実支出がいくらになるかで、言うなればいつの時点から始まるかということもある程度は影響が出てくるのかな、そんな感じはいたしております。

 

(愛媛新聞)
JR松山駅の連続立体交差事業は19年度中の着工を予定していたと思うが、その着工が22年度以降に延期されるという判断でよいのか。

 

(知事)
そこのところは、まだ決めてはおりません。問題は、その着工というのはあまりお金のかからん段階で設計をして、あるいは地権者との交渉とかいろんな点がありますから、その段階はまだ財政出動を伴いませんので、具体的に言うと、地権者からも土地を購入し始める、つまりお金を支払わなければいかん、その時点が財政出動になりますので、その後にはもちろん大型の建設工事等が入りますから、言うなれば県の歳出がいつの段階から何十億円オーダーで出ていくようになるのかなというのは、ちょっと財政構造改革期間中は難しいという判断はとっているということであります。
ただ、大切なことはいずれにしても、あそこでの都市計画を確定しなきゃいけません。どんなやり方でどうしてやるのかということは、内容的にはじゃ県がどこまでやって、あるいは松山市がどこまで協力いただけるのかというのが、さっき申し上げた金目の問題として、そこのおよその見通しを付けないまま、どっちがやるか分からん状態、財政負担はどっちがどの程度負うか分からない状態で出発してしまうと、後年度負担を自ら課すことになるので、そこのところはまだやや調整を要するかなと思っております。

 

(南海放送)
同様に大規模事業の見直しで今治新都市が二つ挙がっているが、その基本的な考え方はどうか。

 

(知事)
今治新都市に関連しましては、三つ事柄があるのかなと思っておりますけれども、一つは、県が本来この新都市事業ということで河川あるいは周辺道路の整備というのがございますから、それは今治新都市の当初構想の規模であろうと、あるいは小規模に留まろうと、いずれにしても県がなすべき河川整備、道路整備というのは、これは順次進めていかなきゃいけないだろうと思っております。
2点目は、お約束をしております新繊維産業試験場の移転問題でありまして、この繊維試験場の問題に関しましては、言うなれば具体的な財政支出を大幅に伴う着工は平成22年度より先に延ばさざるを得ないのかなという客観的状況ではあります。しかしそれは、言うなれば設計とかその他の段階にはある意味で財政出動をそんなには伴いませんから、具体的な工事として始められる建設自体の話は、今申し上げたような考え方でございます。
ただ、既に新繊維産業試験場予定地として開発が進んでおりますから、それを都市再生機構や今治市との関係で言いますと、土地は事前に購入してあげないと、財政構造改革期間中は土地は買いませんということでは、大変向こうも困るだろうなという状況もありますので、そこは議会とも相談させていただきながら、財政構造改革期間中ではあるけれども予定地の購入については議会と相談をしてまいりたいと思っております。
3点目は、1期工事と2期工事の問題で、2期工事は非常に今いろいろな議論のあるところでございますので、2期工事に関して都市再生機構がどのような考え方で進められていられるのか、そこのところ、今治市の方も市民の意見を聞いて考え方をまとめる方向へ向かっておりますので、その状況を踏まえながら見ていきたい。いずれにしても2期工事の中に、県の大型中核施設という膨大な構想が含まれておりますので、この辺は大変県としては、今の時点では慎重に考えていきたいというのが県のスタンスであります。

 

(愛媛新聞)
今回の予算編成に当たって、知事は南予への重点配分ということを強調していた。発表資料に具体的な事業名は載っているが、だいたいどれぐらい南予にお金を費やしたのか、そういう概要が分かるものはあるのか。

 

(知事)
これ資料で配ってあるの、南予関係のは。配ってない。あっそうですか。私の感覚的にはですね、30数億円だったかな、南予関係でいろんな取組み、もちろんみかん研究所とかいろんなのが入っていますが。ただ、そこで30数億円の中に入っていない事業が、県単独事業があります。これは東中南予の場合に、南予に重点を置いて執行したいと考えておりますけれども、これはまだ、予算額総額は提案させていただいておりますけれども、南予に何百何十億円という数字は詰まっておりませんから、ちょっとこれは資料としてまだ差し上げる段階にはないと思っております。
ですから、土木・建設事業を除いた形での南予への取組み、ペーパーとして要するに概算なんか出せると思いますので、財政課長説明の時に説明させていただきたいと思います。ただ、その中で建設事業ただ1点、みかん研究所の経費は含まれて、30数億円の中に入っておりますので、それを除いた土木・建設事業は入ってないということであります。約33億円ですね、南予に重点的に今取り組もうとしている経費は、詳細は財政課長の方から聞いてください。

 

(NHK)
南予の活性化に今回強く取り組んでいく姿勢を打ち出した理由を改めて伺いたい。また、今回新たにみかん研究所や真珠生産への低利融資など様々な新規事業を盛り込んでいるが、仕上がった南予活性化対策に対する知事自身の評価はどうか。

 

(知事)
背景は御承知のように、まずは産業面で東中予と比べると南予は一次産業主体でありますから、傾向として県内総生産、県民所得、東中予に比べた場合の南予は、毎年、年々シェア的に低下いたしております。それから雇用状況に関しましても有効求人倍率、例えば東予は1.0倍を超えてきても、南予の場合にはひどい時は0.5、今回復して0.6、0.7と上がってはおりますけれども、いずれにしても大変厳しい環境にある。
で、産業誘致というのがなかなか期待できない中、結果として南予のてこ入れをしないと、地域間格差がなお拡大していくであろうと、そういった点で県内のバランスという点では、今真剣に取り組まなきゃいけないのが南予の振興である。そういった点では、有効な決め手がなかなかありませんけれども、ただ考え得る範囲の努力はしたい。そういう点で、例えば養殖真珠に関しましても、今価格の低下傾向、生産額・生産金額の減少を招いておりますけれども、越物真珠の場合にはかなり高い値段が付くという点では、1年間辛抱していただいて、越物真珠で生産金額を上げるという方向での努力をしたい。そのためには、1年間の生産が遅れるわけですから、その間のつなぎ融資的な意味での低利融資というのに取り組みたいとか、いろいろ地域の中でアイデア・意見等を出していただければ取り組みたいということで、特に南予の場合は、一次産業主体であるということは、力を入れるのは一次産業の農林水産品の、例えばそれを加工した形の付加価値を付けたセールスで立ち直ってもらわなきゃいけない。今のままでは沈むのはやや一生懸命お尻を持って支えている状態ですから、自らそこから浮き上がろうとする努力に、県が軽く下から手を添えるというようなことで、食品加工を含めた一次産業での付加価値を高める努力についての支援をしたいとか、そんな考え方。
もちろん先程申し上げた道路条件の整備とか、いろんなハンディを解消するということももちろん大切ですけれども、いわゆる一次産業主体で地域ががんばっていこうとするのが、それに対する協力、それが例えば、南予地域密着型ビジネス創出緊急支援事業でもありますけれども、全般的に「南予」と名が付いたものについては、観光面も含め、町並博の効果をさらに、今地域に存在するあの時に協力いただいた80団体ですかね、ボランティア活動をつなぎ留めた形での観光振興。観光の場合には、例えば南予の自然をベースとした移住型の体験観光であるとか、あるいは南予に住んでみたい、そこで何かやってみたいという定年退職者をターゲットにしたUターンの、団塊の世代のいささかでも南予で暮らしてみたいという形を掘り出すとか、思い付く限りのことを展開したいということが今申し上げた、とりあえず今の段階で予算ができるものが約33億円であったということでございます。
それから評価という話でしたが、評価と言われても私はこれでばっと南予が浮き上がるとは思っておりません。低落傾向に歯止めを何とかかけるという程度ですから、飛躍的な向上に資するというのは、よっぽどの妙案がどっからか出てこなければと思います。しかし例えば、仮にの話ですけれども、松下寿電子一本松工場跡があのまま空いてますよね、そこへ別の産業がもし何かの機会があって進出可能ということになるならば、少なくとも今まで東予・中予で企業誘致をした企業立地優遇措置に関して、南予という点でさらなるアクセントを付けた対応というのも考える必要があると思っております。

 

(愛媛新聞)
建設産業への支援も盛り込まれているが、その理由を聞かせてほしい。

 

(知事)
これは正直、年々公共事業が減少いたしておりまして、で統計数字等から見れば愛媛県内にある7千社の建設業許可業者が数がほとんど減ってませんから、みんな共倒れ状態になっていくんじゃないのかと懸念を持っておりますし、また、国の公共事業は3%減でどんどん進んでおりますし、それから経済財政諮問会議でもさらなる大幅な国の公共事業の減額ということが、財政再建の一環として今議論がされておりますけれども、一方において、県の方がもっとアクセルを踏んだ形で県単独事業はピーク時の3分の1程度にまで低下しておりますので、建設産業が大変苦しいという状況にありますので、建設業としての別業種への転換、あるいは建設業を続けながら新規事業への参入であるとか、あるいは建設労働者の別事業への、例えば農業とか林業への就業とか、そういう形で今の苦境にある建設業界並びに建設労働者に対する対応というのを、今回、建設産業再生とか離職者対策という形で予算化させていただいて、いささかなりとも建設業界の苦境に手を差し伸べたいという考え方でございます。

 

(NHK)
地域産業の中で、例えば農業では担い手・後継者の育成とか、あるいは先程言われた付加価値を付けるやり方などが求められていると思うが、来年度の予算では、そこら辺についてどのようなメッセージを込めているのか。

 

(知事)
先程申し上げたように、決め手がないわけですけれども、それぞれその地域の実情で、こんな形でいい芽出しの方向へという民間の動き、あるいは団体の動き等々の情報を手にできれば、それに沿い向かおうとする方向への県の支援策をあらゆる手段で方法で考えていきたいというのが、今のスタンスであります。で、ビジョンというのはいくら示しても現実にそのビジョンに沿った動きが出てくるのかということになると、過去の経験から言ってなかなか実効性が上がっていないとなるならば、浮き上がろうとする努力、そういった方向、夢・希望といって取組みの具体的なプランなり構想なりがあれば、それをどう県がてこ入れしていけるのか、これは物心両面にわたっての協力ということで、例えば南予地域をメインとしたコーディネーター、今がんばっていただいておりますけれども、言うなれば皆さんがんばりませんか、何かこういう形で生き残りを賭けませんかという誘いかけに応じて立ち上がろうとする方に、本当に立ち上がるだけの資金、あるいはアイデア、あるいはノウハウ、あるいは県行政からの協力と、様々な形での取組みを今模索といいますか、いい材料ありませんか、いい材料ありませんかというのを、呼びかけているというのが正直なところでもあります。

 

(読売新聞)
2期目の締括りの年で、財政構造改革の初年度というところで、今回の当初予算編成に具体的に点数を付けるとすると、どれくらいを付けるのか。また、中期財政見通しの発表から当初予算を組むまでにさらに56億円の財源不足が生じ、見通しに非常に不確定なところがあると思う。目標を4年間立てたとはいえ、その点について、今後どのように取り組んでいくのか。

 

(知事)
正直、昨年、財政構造改革基本方針を打ち出した時よりも事態はさらに深刻だと思っておりますし、それから今、国で経済財政諮問会議でいろんな御議論されていますけれども、多分夏の段階で秋へ向けての基本構想、考え方が出てくるだろうと。それはおそらく地方交付税へのさらなる切込みを具体的に示すか、あるいは示唆するか、いずれにしても、さらなる追い討ちというのが予想されますので、そうすると昨年の時点での財政構造改革基本方針は、平成19年度以降のさらなる交付税等の切込みを想定しないで作っておりますから、改革基本方針自体も見直さざるを得ないし、さらなる歳出・歳入に関する大幅な見直し、特に歳出カットへのアクセルをもっと強くしなきゃいけなくなるんだろうなという不安感を持っていることは事実であります。
その中での今回の予算編成、何ともちょっと評点のしにくいのは、0点というわけにはいきませんけれども、正直言いますと合格点には達してないんだろうなという自覚症状はあります。特に県職員への給与カットという非常手段を講じざるを得ないし、このことは職員の士気にも影響する。そういった点で、胸痛む思いでありますけれども、ただ、それをやっても改善できないという点のもどかしさはありますので、今までの国依存であった体質自体が、自力で一遍には立てない、その辛さの中で、おっつかっつ30点か40点か分かりませんけれども、生き残れるための今考えられる予算がこの程度かなという自己評定ではあります。

 

(NHK)
補助金について、例えば団体への補助金の削減とか、あるいは自治体への補助率の引下げとか、そういった点が盛り込まれている。いろいろな影響が出てくることも予想されるが、それについてはどのように考えているのか。

 

(知事)
これは、ふたを開けてと言いますか、議会に提案し議会での議論もありましょうし、また、市町村からのリアクション、あるいは補助金を受けられる、受けられてこられたいろんな団体からの不平・不満等もかなり出てくるだろうなという予想はいたしております。ただ、正直申し上げますと、今までの団体補助金等に関して、金額的にはそんなに大きいものではないんですけれども、なぜこんな団体にこんな事業に補助金を出しているのというのが、このピンチの時期での説明が付くかどうかという点もあります。
それで一方において、それぞれの団体が活動するのに、県の補助金があるからやれてきたという点で、今までの活動の芽を摘む結果になってもいけない。そういった点では、平成18年度予算の執行のリアクション、あるいは与えた影響、事業継続等々の状況を見ながら、19年度にはあるいは少しは軌道修正をしなきゃいけなくなる可能性もあり得るかなとは思っております。
それから一方、市町村に対する継ぎ足し補助金、例えば国が出せば必ず県が継ぎ足しをしてきたとか、そういった点で全てを切ったわけじゃありませんので、言うなればこれは本当に県が継ぎ足しをしてでもやってもらわなきゃいけない重要性の高い事業なのかどうかという政策判断が一つそこにあります。で、可能な限り本来は、今、地方の分権の流れで税源移譲が行われていって、市町村が自ら基礎単位自治体として自分たちで地域の振興計画を考えていく中で、県の力に頼らないでできる方向へ進めてもらいたいというのは正直な気持ちですけれども、一方において、県は国からの援助を当てにし、市町村も国や県の援助を当てにしてきたという過去の実態がありますから、そこも今回の市町村への補助金の大幅な削減がどんな形で市町村に影響を与えるのか。これは県にとっても国からの補助金の減少で影響を受けるのと同じような思いなんでしょうが、そこのところは、議会の議論なり今後の市町村の運営なりを見ながら考えていきたいと思います。
いずれにしても全般的に言えるのは、大きな金額になるとそれは対応しようと思えばまたさらなる借金を重ねなければ対応できないという悩みがあるわけですので、財源のない中でお互いに我慢し合いながらどこまでやっていけるのか、財政構造改革初年度としての実態、状況、議論、意見等々を踏まえながら、また次なるステップを考えていくことになのかなと思っております。

 

(愛媛新聞)
県債残高がずっと伸び続けてきたのが、ようやく歯止めがかかったと思う。これに対する評価を聞かせてほしい。

 

(知事)
ここのところは、実は県債残高で2通りありましてね、一つは、言うなれば国の公共事業等に付き合っていろんな形で重ねた借金の残高と、それから平成何年からかな、あの臨時財政対策債が入ってきたのは。平成13年度から本来なら地方交付税で来るお金が、国も借金して、借金できんから、県や市町村も独自で借金してくれといった、100パーセント元利返済は国が面倒を見るといった交付税の先延ばしで保障の付いた臨時財政対策債の発行が累積しておりますけれども、これもある意味では借金としては100パーセント国が面倒を見るというんだから、質のいい借金で本来県債残高の中にはカウントしなくても、これは国の借金ではないかと主張できる分野もあります。
ですから、それを除けば県債残高は減少しているはずなんですが、その今申し上げた臨時財政対策債の発行残高が加算されております。しかし、それを合わせても減少に転じたということは、今までの県の対応として、私も知事就任以来、県債発行を抑制して、なるべくしようとしたという思いがやっと具体的な数値として平成18年度残高に表れてきたのかなとは思っております。
ただ、不安な点は、先程100パーセント国が面倒を見ますという話をしましたけれども、それ以外の起債も国が60パーセント見ますとか80パーセント見ますとか、様々な約束で重ねた借金が「それはちゃんと交付税で組んであります」と言われるんですけれども、交付税全体が減っている中でそっちの借金返済は国が面倒見てますと言うけれども、本来見てもらうべき基本的な自治権として生きるべきに必要な資金である交付税の方が減少すれば、結果としては、トータルでは色は付いていませんから、借金の返済が極めて難しくなる。そういう意味で借金はちゃんと交付税で保障しておりますと言われても、今眉につばを付けながら県債残高のこれからさらなる減少へ向かっての努力を重ねなきゃいかんと思ってます。
いずれにしても、財政構造改革期間の特に19年度、20年度、21年度と県債を償還する公債費が増大していきますので、財政構造改革期間が過ぎれば公債費が減少いたしますので、ちょっとかすかに息はつけるようになるのかなと予想はしておりますけれども、いずれにしても安心しちゃいけないことで、なお気を引き締めて借金財政を、依存体質を大幅に改善していく必要があると思ってます。

 

(NHK)
今回予算編成方針の中で「教育立県えひめの創造」ということを打ち出しているが、この教育立県、教育に力を入れることの重要性を改めて聞かせてほしい。

 

(知事)
教育っていうのは、今まであまり関心なかった人が、政治家は選挙になるとすぐ教育、教育って言うんですよね。で、何かわめいた後、当選するとまた具体的な話はどっか行っちゃって、精神論ばかりがはびこって、しかもそれは選挙の争点になるという傾向はありますけれども、問題は、現実の現場でどんな教育が行われるのか、これが一番肝心なもので、むしろそのお金じゃない分野というのはかなりウエートあると思います。ただ、予算編成の場合に教育っていうのは大切にしたいというのは、例えば教職員の数の確保とそれから質の確保。これが言うなれば教育財政的な意味で、予算面ではその数字が出てくるということになると思います。
そこで、今回も、これは教育長の方から説明してもらった方がいいんでしょうけれども、へき地手当のカットによって浮くべかりし経費で教職員の充実を図るとか、いろんな努力をする。それから、私は基本的に今の学校教育の中で一番大切なのは情操教育、特に音楽、私は文部省唱歌と童謡の信奉論者なんですけど、小さい頃からこれを聞かしてれば非行なんか起きるわけがないと言ってんですけど、やっと県教委も何ですか「心に響け日本の歌」とかいうので取り組んでいただいたんで、7年間わめき続けた知事の思いがちょっぴり野本教育長の手によって実現することを喜んでおります。具体的な内容は、また、教育長の方に取材してください。

 

(南海放送)
厳しい財政状況の中で、県立中央病院の建替え整備に向け、事業を進めるとのことだが、この意味合いを一言聞かせてほしい。

 

(知事)
これは県立中央病院も老朽化が進んでおりますので、現下の状況を見れば全面的な改築、これは数百億円に上る大規模事業でございますけれども、そういった点で県の財政負担がどこまで公営企業に対する支援を行える力があるのかというと、現時点では、先程申し上げたようなもうあっぷあっぷですからできない状況です。ただ、今構想として検討してもらいましたPFI方式、これは今までの皮算用としてはかなり大幅な経費削減につながるのかなという見通しでございますし、また、PFI方式の場合には、少なくとも県の財政出動は財政構造改革期間中にはほとんど必要ないということで、PFI方式でもし進められるならば、財政構造改革期間中でも県の負担なしで事業が進められ、そして、その後、県の財政出動は構造改革期間が終わった後ということで、他の事業と違って、これ当然病院事業ですから収入があります。
今までの経営状況からすると、県立中央病院は今まで北宇和病院、南宇和病院、それから三島病院、この三つの病院の大赤字をカバーする体力を持って今日まで運営していただいておりますし、北宇和病院の県立病院からの切離しというところで、今後この新規大事業の結果として、病院経営を続けていくことについての見通しはある程度立っているのかな、そういった点で県の財政出動が構造改革期間の終了後になって、しかもそれは、それ程大きなものではないというある意味での予測のもとに、中央病院についてはPFI方式でもう具体的にスタートしてもらうという決心をしたところでございます。

 

(朝日新聞)
平成19年度以降の地方交付税の見通しについては、中期財政見通しよりもさらにカットされる場合もあると考えられる。今回の予算では人件費まで手を付けて歳出カットに取り組んでいるが、ここでさらに地方交付税が減らされた場合、どこに手を付けて歳出カットに取り組むのか。

 

(知事)
これは先程申し上げたように経済財政諮問会議の骨太の方針というのが夏出ると思いますけれども、議論のプロセス、何となく漏れ聞くと、今30兆円の国債を減らしてプライマリーバランスを何年間で実現しようと思ったら、毎年何兆円という歳出削減をしていかないけない、となると社会保障費は増えるのを押さえ込んでも、あれは切り込むわけにいかないでしょう、で国の国債費も当然義務的に支出しないかん、残るのは国も定員削減をし、給与カットをし、事業を大幅カットする。しかし、その中で大きなウエートを占めているのは地方交付税ですから、当然ここにも弾が飛んでくるんじゃないのかという不安・懸念を持っている。
しかもそれ、動きがある程度かなり顕在化しつつあるという懸念を持っているわけで、来たら来たときのことで何とかしなきゃいかんということになるんですけど、被害の度合いいかんによりますが、もう県としては、恐らくこの状態というのは愛媛県だけじゃなくて、もう40県、東京とか大阪とか愛知は別ですけれども、貧乏県はみんな軒並み倒れちゃうだろうなと、だからその倒れないなりの工夫なりは考えてもらえるだろうと思いますが、いずれにしても、さらなる歳出カットの努力ということは、現実的に切り込める県単独事業をどこまで切り込まなきゃいけなくなるのかという、そんな問題が可能性としてある得るのを心配はしていると。しかし、国もそんなに地方を滅多打ちはしないだろうという、いささかの期待もないわけじゃありませんが、これはお国がお決めになる話ですから、もうそうなった時のことは、その時の予算編成大変でしょうと言うしかないですね。

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