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令和元年度12月知事定例記者会見(令和元年12月24日)の要旨について

ページID:0011080 更新日:2019年12月25日 印刷ページ表示

日時:令和元年12月24日(火曜日)

 11時12分~12時02分

場所:知事会議室

 

 

 

 

(愛媛朝日テレビ(幹事社))

 日米貿易協定が先の臨時国会で承認され、来年1月1日から発効される運びとなったが、本協定による本県農林水産業への影響はどうか。また、生産者の不安を払拭(ふっしょく)するため、県としてどのように対応するのか。

 

(知事)

 日米貿易協定につきましては、一週間後の1月1日に発効することとなっています。国では昨日、我が国の農畜産業全体で、生産額が最小で603億円、最大で1,096億円減少して、林・水産物は関税が削減されていないため影響はないとの試算が発表されたところです。農畜産業全体が非常に大きな影響を受けるということです。

 全国影響額が発表されていますので、品目ごとの本県シェアを乗じて本県の影響額を試算したところ、これは本当にシェアに乗じた形だけですけれども、生産額が愛媛の場合は最小で11億円から最大で23億円減少する可能性があると数値としては出てきています。特にかんきつが7億円から14億円、牛肉が1億円から2億円、豚肉が2億円から5億円と、大きな影響が生じるおそれがありまして、具体的には、輸入品と直接競合する低価格帯の品目への影響が特に大きいとされまして、かんきつでは米国産のオレンジと競合いたします伊予柑や八朔(はっさく)、牛肉ではホルスタインの雄牛等の乳用種、豚肉では甘とろ豚や媛ポークなどの銘柄豚はそう影響はないと思いますけども、これ以外の一般豚等が影響するのではないかという予測をしています。

 このため県では、このような状況もかねてから予想をする中で、紅まどんなや甘平等の高級中晩柑、あかね和牛や甘とろ豚など、市場評価が高く競争力が強い本県のオリジナル産品への転換促進、そして生産拡大を、これまで以上にその動きを強めていきたいと思います。また、現在、国が編成を進めている3,250億円の補正予算も活用しまして、樹園地の省力化や高機能化の推進、肉専用牛、和牛ですね、この増頭増産や自動給餌機等の高度な畜産機械の導入など、かんきつ農業・畜産業の競争力の全体的な強化を図っていきたいと思います。

 また、本県農業を底上げするため、本県独自の農林水産業体質強化緊急対策基金も活用して、省力・低コストで自然災害にも強い果樹生産基盤の整備や、畜産生産基盤の効率化に向けたきめ細かな施設の改修、また、紅プリンセスやひめの凜に続く新品種の開発、地域を支える新しい品目の普及・育成、また、営業本部を核としたマーケットのさらなる掘り起こしなどに取り組むこととしています。

 さらに、県産品の輸出拡大にも打って出るため、マレーシア、シンガポール、EUに向けたかんきつ類の輸出促進、アメリカに向けたみかんフィッシュや大型ブリなど水産物のセールスプロモーション、カナダでのかんきつ類や愛育フィッシュ等のトップセールスなどの取り組みも行っておりまして、今後とも生産者と一体となった攻めの施策も強力に推進して、生産現場の不安払拭と経営安定に努めてまいりたいと思います。

 以上です。

 

(愛媛新聞)

 先ほど、県独自の基金で、省力で低コストの果樹園の整備をするという話があったが、具体的にはどういったことを。

 

(知事)

 県の基金については、農林水産部の方から。

 

(農林水産部長)

 これは、既存の施策の延長線上にあるものですけれども、例えば根域制限栽培、根をできるだけ畳んだ形で成長を早め、果実に養分が十分届くような形の栽培方法であるとか、あとは、今もやっていますけれども、園地の改良をした際にできるだけ緩傾斜の形にして、そこに農薬を散布する場合に機械が入れるような園内道を作るなどの形で、いわゆる低コストで省力化ができて、人件費も抑えて果実を成らせることによって、コストを下げて競争力をつけるといった方向の施策をいろいろこれから打っていきたいと考えています。

 

(愛媛新聞)

 今後ということは、今はやっていないものを今後ということか。

 

(農林水産部長)

 今もやっていますけども、今度の国補正予算ではそのあたりが増強されていますし、県費も基金から上乗せして、できるだけそちらの方の施策を増強していくという形に切り替えていこうということです。

 

(日本農業新聞)

 アメリカとの本格交渉はアメリカ大統領選挙後とみられているが、愛媛県としてはどうした点にポイントを置いて交渉してもらいたいか。

 

(知事)

 そうですね。食についてはある意味では国の安全保障にも関わってくる分野だと思いますので、農業は食だけでなく環境保全や地下水の保全、治水機能などいろいろな側面もあるので、その重要性というものを鑑みて、国にはその基本を守るという強い姿勢は持っていただきたいなというふうに思います。ただ一方で最近の動向を見ていると、かなり交渉ごとでは押し切られるケースが見られるわけでありまして、その辺は危惧をしています。

 ただ、これは国と国の交渉なので政府に頑張っていただくしかないんですけども、やはり最悪の事態というのも常に想定しながら、生き残っていく方策を地域なりには常に考えておく必要があろうかと思いますが、その中で、特に今回顕著になってきているのは低価格帯の競合による影響ですから、やはり、愛媛県のこれまでやってきた各試験研究機関の研究成果を生かした付加価値の高い品種への転換であるとか、今お話があった生産基盤の強化であるとか、これはどんな状況であれ徹底的に追求していきたいなというふうに思っています。

 

(愛媛新聞)

 南海トラフ臨時情報が発令された場合の伊方原発の運転に関して、四国電力は、南海トラフ地震は伊方原発への影響は小さく、臨時情報が発令された場合も技術的には直ちに運転を停止する必要はないけれども、状況に応じて原子力規制委員会とか地元自治体とコミュニケーションを取りながら適切に対応するとの考えを示している。この四電の認識や方針に対しての知事の所感を聞きたい。

 

(知事)

 まずこれ数字できちっと冷静に分析しておく必要があると思うのですけれども、伊方発電所3号機については、中央構造線断層帯による地震や安芸・伊予の地震、それから南海トラフの巨大地震などさまざまな地震を評価して策定した基準地震動が650ガルと、これはご案内のとおりでございます。そして最大津波が8.12メートルでございますけれども、これに対しては安全性が確保されているということで、原子力規制委員会から許可が出ているということがまず一つでございます。県としては、これまで他の県とは違って、(四国電力に対し)独自にアディショナルな(追加的な)さまざまな安全対策を求め続けてきましたが、この650ガルは必要十分条件であるということで、それを上回るさらなる揺れ対策で、安全上重要な機能を有する機器については、全ての機器のチェック・点検を行っていただき、全部に1000ガルの揺れに対応する補強工事を独自に実施するよう求めてきたところですが、これについても、概ね確認が取れておりますので、1000ガルの耐震性は確保されていることが確認されています。

 この地震動評価における南海トラフ巨大地震の影響ですけれども、最大で地震動が181ガル、津波の高さが2.45メートルでございますので、伊方発電所3号機の安全性は確保されていると評価されており、これは原子力規制委員会の方でその評価は妥当と認められたところでございます。

 これを受けて、おそらく四国電力では、「南海トラフの臨時情報が発表された場合でも、発電所を直ちに停止する必要はないと考えているが、影響のシナリオが特定できないため、状況に応じて地元自治体や原子力規制委員会とコミュニケーションを取りながら適切に対応する。」という方針が出されたところでございまして、この言葉を信じて、安全確保を最優先に適切な対応がなされる、責任を持ってしていただけるというふうに考えております。

 県としては、南海トラフの臨時情報が発表された場合、地震規模、また被害状況などについて、ともかく迅速に情報収集を行うと、これが第一であります。そして、また原子力規制委員会、これは専門家の方々で構成されてますから、この判断等も踏まえて対応していきたいというふうに思っています。四国電力に対しては、これまで同様に、体制の確保、安全最優先、これは引き続き要請をし続けていきたいと思っております。

以上です。

 

(愛媛新聞)

 規制委員会等の判断を踏まえて対応したいとのことだが、仮定の話にはなるが、知事の判断で県から停止を求めることは、場合によってはあり得るのか。

 

(知事)

 その状況、情報のチェック・確認次第です。今のところ、先ほどの数字のとおり、かなり範疇(はんちゅう)に収まっているということもあるので、むしろ、そこの点検とかを間断なくやっていくということが大事だと思っております。

 

(愛媛新聞)

 先ほどの四電の方針に対して、やはり不安を覚えていらっしゃる住民もいるようだが、このあたりの住民の不安にはあらためてどのように向き合っていくべきだと思っているか。

 

(知事)

 そうですね、これも一つの要請事項でありましたけれども、丁寧な説明というものが、不安払拭にもつながっていくと、この丁寧な説明というのは、事実に基づいた客観的なデータをしっかりと踏まえた対応と説明の重要性であるというふうに思っておりますけども、これについては、説明の一番丁寧なやり方というのは、戸別訪問にあるということで、1度だけでなく既に11回実施していると思いますが、この丁寧な説明姿勢というのは、今後とも継続していただきたいと思っています。

 

(南海放送)

 臨時情報に関連して、事前の避難を各自治体が検討しないといけないとは思うのだが、そのあたりについては県としてはどのように各自治体に対して、今のところ話しをしているのか。

 

(知事)

 原子力規制委員会の委員長の発言を聞くと、南海トラフ地震の臨時情報が発表された際の対応について、こういうことをおっしゃられております。「あらかじめこういう情報があれば、こうアクションするということを準備することは、ものすごい数になってしまい全て網羅するのは困難であるため、どうしてもその場に至ったときに、かなり難しい判断が迫られることは避けられない。」としながらも、「一定程度の備えは必要」という認識を示しておりますので、このあたりのニュアンスですね、検討状況はまだ続いていると思いますから、委員会の検討状況を注視していきたいと思っています。その都度その都度で最新の知見に基づいて方針が出てくると思いますので、変更点があれば、これはもう速やかに対応していきたいというふうに思っています。

 

(NHK)

 まじめえひめの動画に関して、一部から県に対する「まじめ」の尺度が違うんじゃないかということで、削除するように申し入れがあり、また、県議会でも質問があったが、これに対して、今のところは削除するつもりはないと県議会でも答弁があったが、知事としてあらためてこの申し入れに対してどのように受け止めているのか。

 

(知事)

 県議会もお一人だけなんで、ちょっとそれが県議会全体の意見になってるかって言ったら、そうではないかなというふうに思います。いろんな意見があっていいんじゃないですかね。こうして自由に意見が言えるっていうことは、非常に良いことだと思いますので、そういう意見もあるということで、また議論があるっていうのは悪いことじゃないと思ってます。

 ただ、今回ご指摘をいただいた議員さんが、プロの活動家として歩んでこられた方で、その政治的な背景を持った団体との連携もかなり強い方なので、かつてもやっぱりこのイデオロギーとか、政治信条とかに関わる表現については、いろいろと意見をこれまでも言われてきた背景もあります。例えば、いろんな見方があるんだなと思うんですけども、これ松山市長時代、同じ議員さんでしたけれども、新井満さんという方が松山市のために曲を作ってくれたんですね。「この街で」という曲でございました。これもいろんな意見があっていいと思うんですけども、これ市役所で流していたんですよ。「この街で」というのは、「恋し、結婚し、母になったこの街で、おばあちゃんになりたい」という詩から生まれた曲で、サビのところは「おじいちゃんになったら、おばあちゃんになったあなたと歩んでいきたい」「おばあちゃんになったら、おじいちゃんになったあなたと歩んでいきたい」と、これを市役所で流していたんですけれども、議員さんはこれも即刻やめるべきだと、主義主張と違うんだと。最初よく分からなかったんですけれども、なるほどなと思ったんですけども、おじいちゃんとおばあちゃんが一緒というのがダメだと。同性の思いの方もいらっしゃるので、そういう人たちが傷ついてるからダメだと。たしかにそう言われればそうなんだけども、果たしてそこまで表現の自由というものが、がんじがらめになっていくのがいいのかどうかというのは、またみんなで議論したらいいんじゃないかなというふうに思います。願わくば、今、この議論も大事だとは思いますけれども、愛媛県にとっては、今、最も大きな問題っていうのは西日本豪雨災害からの復興なんです。せめて1問ぐらいは、議員としてそういうふうなことに関心を持った質問をしていただきたいなと、これは個人的には思います。

 

(NHK)

 そうすると、今のまま、このまま、まじめえひめの動画は継続ということで。

 

(知事)

 そうです。

 

(毎日新聞)

 関連して、介護とか看護時間の長さとか、彼氏がいない女性が多いとかがまじめに結びついているのかどうなのかと、疑問視されていると思うが、その点に関しては。

 

(知事)

 だから、すべて最初に、ユーモアの精神もありますので、まじめというのをどちらかというとネガティブに捉えがちな側面もあるので、物の見方っていろんな見方があるんじゃないかっていうことで、そういうふうなガジガジにこの主張を押し付けるためにやるっていうものではないっていうのはお分かりいただけると思うので、その中でいろんな議論があってもいいんじゃないかなと思いますけどね。

 

(愛媛新聞)

 その関連で、行政が画一的な県民性を定義するのもどうかという、これも疑問視する声もあるのだが、そのあたりは行政としてどのように。

 

(知事)

 そしたら何のフレーズも出せなくなってしまうっていうことになろうかと思いますよね。例えば、「愛ある愛媛産品」の「愛がある」なんてどうしてそんなの強要するんだとか、そこまでいってしまうんで、そのあたりはすごく難しいと思いますね。

 

(愛媛新聞)

 まじめというコンセプトで愛媛の魅力発信につながりにくいのではというのもあると思うが、長期的な視点で見て、今後、この「まじめえひめプロジェクト」をどう展開していきたいと思っているか。

 

(知事)

 今回、非常におかげさまで、再生回数もどんどん増えて、認知度はめちゃくちゃに上がったので、これを良い機会、きっかけとして、さらに進化させていきたいなというふうに思っています。

 

(愛媛新聞)

 さらに進化という部分で、何か具体的にこうしていきたいというものは。

 

(知事)

 これはプロジェクトですから、どんどんどんどん変化していくものだと思うので、またプロデューサーの方の意見なんかも聞きながら、あくまでもアグレッシブに、ネガティブじゃなくアクティブに捉える形で、愛媛らしさっていうのを追求していったらいいんじゃないかなと思いますけどね。

 

(南海放送)

 政治の話で恐縮だが、自民党県連が愛媛4区の山本公一さんの後継候補として、選考委員会を開いて公募をした上で、かつて中村知事とも県政を支えていた長谷川元副知事を後継者として決定して、出馬要請もされているが、長谷川さんという人物を選ばれたということについて、政治家としてはどのように。

 

(知事)

 これは党の候補者を選ぶことですから、私がとやかく言う話ではないと思います。そういう中で山本公一さんという南予を地盤にして長く国会議員を務められて、本当に県政のこともしっかりフォローしてくれた、特に南予は一次産業中心で、いろんな政治的な力が課題解決のためには必要な地域ですから、すごく頑張っていただいた方だと思っています。残念ながら体調を壊されてご引退されるということなんで、そういった山本さん、愛媛、南予のために汗をかいてきた方の思いも当然あるでしょうし、そしてまた、その所属されていた政党関係者の思いもあるでしょうし、また、それだけにとどまらず南予全体のことを考えて、本当に西日本豪雨災害からの復興にはまだまだ課題が多いですから、頑張ってくれる人を育てなきゃという、そういう地域の思いもあるでしょうし、またその中には、首長さんの思いも多分あるんでしょう。そういったものを凝縮されて選定されていったのかなというふうには思いますけどね。

 長谷川さんは愛媛県に7年間いた方ですけども、個人的に言えば、僕が就任した時に総務部長、その後、副知事を務めていただき、抜群に仕事のできる人でしたね。県政の土台づくりに彼の存在なくして語れないくらいの大きな力を発揮されたことだけは間違いないと思いますね。

 

(南海放送)

 個人的な気持ちで結構なのだが、期待するところはあるか。

 

(知事)

 これは地域の皆さんが決めて、政党が決めて、有権者が決めることですけれども、愛媛県のことをよく知ってますし、特に、西日本豪雨災害の時に、国から各省庁が応援に来てくれましたけれども、なかなかコントロールができない状況の中で、どうしてもそれを束ねていく役割の方が必要だということで、かつて副知事を務めた長谷川さんに来ていただいて、見事に差配していただいたので非常に心強かったですね。

 

(南海放送)

 復興に関しても現地のメンバーとして、去年、宇和島市に入られている。

 

(知事)

 まさに全省庁の束ね役として手腕を発揮してくれました。

 

(南海放送)

 一方で、選考委員会の中で、過去4回、自民党の現職と対立して日本維新の会から出馬した時には自民党や民主党を批判していた桜内さんが自薦で応募していて、選考委員会の選考方法にちょっと問題があるんじゃないかというようなこともおっしゃってはいるが、そういうようなことにはどういうふうな印象を持っているか。

 

(知事)

 分からないですけど、ただ、その変遷を説明された方がいいんじゃないかなと思いますね。山本さんや自民党ではない立場でいたのがどうして変わっていったのか、何が違うのかっていうのは、やっぱりそこは説明する義務があるんじゃないかと思いますけどね。分かりません。お話ししたことがないので。

 

(南海放送)

 客観的に見て選考方法というのはクリアだったと思うか。

 

(知事)

 クリアなんじゃないんですかね。オープンにやられてましたからね。

 

(愛媛新聞)

 関連で、次期衆院選には、関わりというのはどうされるのか。

 

(知事)

 今まで通りですね。誰が出てくるかは分かりませんから、その時点で出そろった時に、お世話になった人に個人として恩返しするという、それは今までずっと言い続けてきたことですし、政党とか関係なくですね、愛媛県のためにこの人ならばっていう、そして自分もお世話になったということがあればですね、恩返しのエールは送りたいと思っています。

 

(愛媛新聞)

 恩返しのエールについては、いつも選挙の際はこういう姿勢で臨みたいと言われているが、長谷川さんが出られることに対しては、そのあたりはどのように考えているか。

 

(知事)

 ご本人がまだ決めてないですから何とも言えないですよね。

 

(愛媛新聞)

 国政全体の方では、桜を見る会の影響などで政権の支持率が下がっているが、安倍首相の説明について、どのように見ているか。

 

(知事)

 国会のやり取りが細かく分からないので、単純に言えばですよ、何もやましいことがなければ、全部オープンにすればいい話なんじゃないかなと思いますね。そこが何となく見えないからいつまでたってもずるずるというふうになってしまうので、すべてオープンにして、間違ったことはごめんなさいと、こういうふうに変えますというふうなことを、めりはり利かせてやればいいんじゃないかなと思いますけどね。

 

(NHK)

 西日本豪雨の話が出ましたが、今回、予算、仮設住宅の入居期限が延長になったが、今のところは原則2年というふうに決められていて、東日本大震災とか熊本地震とかは延長されてきたと。一方で、九州北部豪雨なんかだと朝倉市は延長しなかったが、大半が、大きな災害だと原則2年というのは延長されてきているが、この原則2年ということに関しては知事はどのように。

 

(知事)

 そうですね、原則っていうのは一つ、いつまでもっていうのはなかなか難しいことだと思いますから、原則っていうことは原則じゃない例外もあるっていうことなので、それはそれでいいんじゃないかと思いますけども。でもあれ1年延長じゃなかったでしたっけ。

 

(NHK)

 基本的には。

 

(知事)

 基本的にはね。もう一つは、無条件ではないんですよね。やっぱりその事情っていうのをしっかりとお聞きして、それはしょうがないねってことに対しては例外として延長を認めるっていうのは当然ぬくもりのある政治に直結しますから、いいんじゃないかなというふうに思いますけどね。

 

(NHK)

 東日本と比べるのはあれだが、東日本は無条件で延長されてきて、熊本地震の時に条件がついたっていう、いろいろ県が主体でまとめて、その時に熊本でも最初、一部からは、無条件で東日本のように延長してもらいたいっていう意見もあったが、この条件付きっていうのはやっぱり。

 

(知事)

 そうですね、ちょっと東日本の場合は、規模と中身を比べるのはどうかなっていうところもありますので、個々に起こった熊本もそうですし、西日本もそうですし、今回、東日本もそうだと思うんですけども、まあそういう中である程度の原則っていうのは僕はありかなというふうに思いますけどね。その中でこういう事情じゃないですかっていうのは延長だというのは当然あってしかるべきだと思いますし、そういう形がきめ細かい対応ということを考えれば悪いことではないような気がしますけどね。

 

(愛媛新聞)

 今、県内の各漁協が合併に向けて、各漁協で賛否を問うている段階と思うが、知事としては、県内の漁協が一つを目指す動きについてはどう思うか。

 

(知事)

 そうですね。これは漁協の関係者の皆さんが、これからの時代の変化を考えて、特に先ほどのアメリカとの交渉なんかも含めて、対外的な状況変化、それから日本国内における少子高齢化に伴う人口減少。これは市場の縮小という非常に厳しい問題をわれわれに提起することになりますので、漁業だけにとどまることなく、あらゆる産業でこの大きな経験したことのない変化にどう立ち向かうかっていうのは、大変な課題になってきていると思うんですね。

 そういう中で、より体力のある組織体制にしなければいけないんじゃないかというような意見が多く出てくるなかで、方向性が打ち出されたと思います。

 ただ、それは強制するべきものでもないので、そういう変化に対応すべきだなと言って合併に踏み切るところもあれば、いやいや独自でなんとかいけるんじゃないかと判断するところもあれば、それはそれぞれだと思いますけども。県としては、その業界の動向を重視しながらも、当然、合併したところに対してだけでなく、合併しなかったところにも、これまでの対応はしていきますけれども、ただその大きなものが生まれた時に、この大きな合併したところが新たな施策を打ち出した時に、そこになかなか合併しなかったところが新しい施策にのっかかりにくい環境が生まれてしまうので、このあたりを合併しない決断をされたところがどう捉えていくのかというところは、やはり議論はしといた方がいいんじゃないかなっていうふうには思いますね。

 

(愛媛新聞)

 合併し、大きな組織になることによって、国とか県の支援事業を活用したり、担い手育成が進みやすいのがメリットとして言われているのだが、その辺についてはどのように感じているか。

 

(知事)

 そうですね。本当に今、チームでやっていかなければ乗り越らえない課題が多くなってきていますので、その中で、その時々、その団体のいろんな意見があると思うんですけども、よく議論をされるってのが大事なんじゃないかなというふうに思いますね。

 

(愛媛新聞)

 関連して、アコヤガイの事について、三重県では対策をまとめた養殖管理マニュアルを作成して年内に配布するというような形で動きが出ていると聞いているが、あらためて愛媛県の今後、年が明けたら生産が始まると思うが、動きとしてはどのようなものがあるのか。

 

(知事)

 そうですね、三重県と愛媛県は海の力が違うので一概に同じ方法をとる必要はないと思っています。特に三重の場合は水深が浅いんですね。ですから愛媛の宇和海のように水深の深さに恵まれてはいないので、しょっちゅう沖へ出したり内へ引っ込んだりという移動を繰り返さなければならない、海の違いがあると思います。そういう中で移動が頻繁に行われますから、海水温に対する状況変化等が宇和海と比べると細かくやらないとだめなんですね。

 そういうふうな違いがあるというのが一点と、それから、恵まれているがゆえにそこまでの水温変化を愛媛の場合はチェックする必要がなかったということも違いだと思います。

 もう一点は、原因が特定されてされてない状況の中で、本当に画一的なマニュアルというものがいいのかどうかというのは、また別問題だと思ってます。愛媛県の場合は、漁業者の話を聞きますと、個々のきめ細かい対応指導を要請したいという意見が圧倒的に多いので、むしろ画一的なマニュアルよりは、丁寧な個々の対応を積み重ねていきたいなというふうに思っています。

 

(愛媛新聞)

 個々の対応というのは、試験場の方とかが個別で指導するということ。

 

(知事)

 そうですね。はい。怖いのは原因が特定されてない段階で、もしマニュアルが正しければいいんだけれども、原因が分かってないので、それが効果があるかないか分からないんですよね。その中で出してしまうのは、ちょっと愛媛県としてはまだ早いかなというふうには思っています。

 

(愛媛新聞)

 愛媛としてはだいたい年度末くらいまでに。

 

(知事)

 いや、これ困っているのは、本当にこれだけ専門家の方々にお願いしているんですけども、特定できないので、本当にそこが悩みの種ですね。すべては原因が分かれば打つ手は明確に見えてくるんですけども、今はもうやれることをやるしかないと、だから耐性の強い貝をどう育てるかとか思いつく事をやるしかないと思っています。

 

(読売新聞)

 水族館の建設について聞きたいが、香川県の宇多津町で建設中の四国水族館が3月20日にオープンする運びになっていて、松山市内でも水族館に向けた動きが地元経済界を中心に進んでいるが、県としてはこの計画についてどのように受け止めているのかということ。建設候補地として、県民文化会館南側の県有地が挙がっているが、土地の使用の申し出があった場合にはどのように考えているか。

 

(知事)

 まず承知いただきたいのは、長い改修工事に入っている道後温泉を含めて、(周辺一帯が)観光地として生き残っていくためにはどうあるべきなのかというのは、まず松山市が方向性を明確にしていただく必要があろうかと思います。10年ぐらいの間の中でどう乗り越えていくのか、そのメニューの中に施設の建設があったり、ソフトの対策があったりっていうことになろうかと思いますね。まずは松山市の観光戦略という中で何をするのか明確にする必要があるかと思います。そういう中で、民間から水族館という提案が出てきたと聞いてますけど、これを観光振興政策の中で、民間の発案で生まれたこの構想を松山市として取り入れるのかどうか、やるのかどうか、これはもう決断をしていただくっていうことがまず第一歩かなというふうに思っています。県としては、それを受けて、やるんであれば、水族館というような施設は、おそらく民間丸投げでは無理だと思います。やっぱり文化施設に匹敵するような話ですから、例えば動物園だってそうですよね。県がやってるからなんとかでやれますけども、そういう中で必要性を認めるかどうかっていうのは、松山市の判断。そこで、どうしてもという必要性が市の中で位置付けられて、公の、市としてやると方向性が見えてきたら、おそらくその段階で県に協力をということになろうかと思いますので、その意思表示があって初めて県の土地をどうするかっていう議論になるんじゃないかなと思いますから、松山市さんが、民間がそう言ってくれたんで、これは市の今後のプランの中でやるべきだと判断したら、議論したいなと思ってますし、松山市さんがそれはもう民間のことなんで市は関係ありませんって言うんだったら、これは県は関係ないということであろうかと思います。

 

(読売新聞)

 市が関係するかしないかによって、県の方も。

 

(知事)

 そうですね。例えば、他の市でも県の土地をうんぬんということになれば、やっぱりその市、地方自治体がどうするかっていうのが大事な要素になってくると思いますので、特に松山市以外の選出の県会議員さんにも、そういう話が俎上(そじょう)に乗った場合は、議論になってきますから、そうすると、その地域の熱意というものが大事なんじゃないかなというふうに思いますけどね。

 

(あいテレビ)

 神奈川県庁が処理を依頼したハードディスクが転売されたというような事案があったと思うが、愛媛県ではどういった状況か。

 

(企画振興部長)

 まず、大きなシステムとして、庁内LANと電算があるんですが、これは磁気破壊といって強力な磁気でハードディスクを庁内およびデータセンターで破壊していますので、完全に流出はありません。

 それ以外に個別業務システムが69あるんですけれども、その中で一度も更新していないシステムが16、それと個人情報を含まないものが2つありますので、それらを除く51は確認しましたが、すべて適切に消去されているということを県としては確認しております。

 

(あいテレビ)

 磁気破壊というのは、県庁内でやっているのか、業者に委託しているのか。

 

(企画振興部長)

 ケースバイケースですけれども、基本的には庁内で現地においてその場で強力な磁気で破壊する。あるいは、加圧して破壊するというようなやり方をやっております。

 

(テレビ愛媛)

 ソウル線の関係で、12月は予約率の方が回復してきていると聞いているが、現状でどのような。

 

(知事)

 まず、数字で言いますと、ご案内のとおり日韓関係の問題が生じてから、それまで80%~90%を維持していたんですけども、8月の搭乗率が75%です。9月が63%になりました。このあたりから、県庁職員や多くの方々に、行ける人がいればぜひ、あっちに行っても全然問題ないので、すごく歓迎されるような状況なんでどうですか。ということで、少しずつアウトバンドの利用者が増えまして、10月は67.8%、11月が81.9%で4ヶ月ぶりに80%台を回復しました。12月も今のまま行くと80%を超えると思います。

 特に日本人利用者の割合は、それまでは7割がインバウンド、3割がアウトバンドだったんですけども、日本人利用者の割合が6割、ですからアウトバンドが逆に6割になって、呼び掛けで旅行に行っていただいた方が本当に増えたんだなというふうには思っています。

 ただ一方で、ここへきて12月は、だいぶ韓国側も戻りつつあって、半々ぐらいに近くなってくるのかなというふうに感じています。ですから、一時的にああいうことがあっても、一般の方々は、旅行とか、交流とか、本当はできれば(良いな)と思ってる方が多いと思いますので、徐々に戻っていくんじゃないかなというふうに思ってます

 

(南海放送)

 今日が年内最後の定例会見になると思うが、この一年を振り返って、総括を。

 

(知事)

 そうですね、3期目のスタートの年だったんですけど、ともかく最大の、頭の中を占めていたのは、やっぱり西日本豪雨災害からの復興の道筋をどう付けて行くか。これが愛媛県とっては最大のテーマですから、これはもう本当に地域の存亡に関わるような大きな課題なので、それが頭の大半を占めていました。そうは言っても、あらゆることに対応していかなければならないですし、それから、社会変化、時代の変化、技術的な変化が著しいものがあるんで、ともかく先取りして、手を打っていかないと遅れてしまうという危機感の中で模索するような一年でした。そういう中で、組織力を生かしながら、新たなチャレンジができた一年でもあったようにも思います。例えば、映画祭のプレ大会を皮切りに、東予東部地域で初めて本格的な地域振興イベントを行うこともできましたし、それから、今までちょっと様子を見ていた大型クルーズ船の就航も道筋ができましたし、長年にわたっての懸案事項であった台北・松山の直行便の就航も実現いたしました。さらに、大きな国際会議を二つ誘致することができたこと、それから、これまでの積み重ねの結果にはなりますけども、しまなみ海道が第1次ナショナルサイクルルートに指定されたというのは、今後の弾みにもつながっていくのかなというふうに思っていますので、そういう意味ではいろんなことにチャレンジできた一年でもあったかなというふうに思いますね。

 

(南海放送)

 年末年始はゆっくり過ごせそうか。

 

(知事)

 多少ゆっくりしたいと思います。

 

(テレビ愛媛)

 関連して、今年を表すような漢字というのは何か知事の考えは。

 

(知事)

 まだ早いですよね。ちょうど(八矢)副知事が「拓(ひらく)」っていうんで「拓」。(今年)就任しましたから。

 

(愛媛新聞)

 復興の道筋をどうつけるのかが最大のテーマという話があったが、この一年振り返ってどのように感じているか。

 

(知事)

 当初描いていたとおり、産業生活基盤の回復の道筋を担うのはグループ補助金と位置付けていましたので、ここについては徹底的に力点を置いて対応してきたつもりです。特に待ちの姿勢ではなくて、計画づくりや申請手続きも一緒にやるという思いを持って、サテライトオフィスを設置したということ。これを「何のためにサテライトオフィスが設置され、何をするために行くのか」という意識を高く持った職員たち、本当に最初苦労したと思いますけど頑張ってくれたと思います。どこよりも早く申請手続きを完了することができましたので。これでお金の面と、これから時間がかかるところもありますけども、どういうふうに持っていけばいいかという道筋が関係者の皆さんに見えたというのは非常に大きいハードルを越えたのかなというふうには思っています。

 それからもう一つの大きな問題は、基幹産業である農業、特にかんきつ農家の壊滅的な状況をどう克服するかでしたけれども、これについても、当初打ち出した原形復旧と改良復旧と再編復旧という三つのパッケージで支援するという分かりやすい支援メニューを作って、それを関係者の皆さんが受け止めて、それぞれに見合った形で道筋をつけようとされていますので、これも時間はかかるけれども、どういうふうに進めばいいかというのが明確に見えてきたので、そういう意味では一つ大きなハードルは越えられたかなというふうに思っています。

 

(愛媛新聞)

 水族館の件ですが、先ほど松山市がやるのかどうか判断する、決められることが一番ということだが、これは松山市が財政支援をするかという判断なのか。

 

(知事)

 それは逆に言えばですね、僕もちょっと民間の方が松山市に要望したというニュースは見てるんですけども、そのあたりでどういうやり取りされてるのかわからないので、財政支援や運営も含めてですね、そういった施設を市の観光振興策の中でどう位置付けるのか必要なのか必要じゃないのか。必要と判断するならばどういうふうな形で関わっていくのか、それが見えて初めて、物事って動き始めるんじゃないかなというふうに思いますけどね。県の、例えば土地は、まだ正式には(協力依頼は)いただいてませんけども、あるならば、そこまで地域の強い思いがあるんであれば、それは協力する検討はしましょうと。県の土地を提供するという形になると、県議会にも諮らないといけませんから、松山市以外の県議さんの意見なんかも入ってきますので、そうするとやっぱり地域の思い、熱意ってものが、合意するかしないかって大きな要因に結びついていくのかなっていうふうには思いますけどね。


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